常に「スーパー」であるためには、普遍的なレベルを超えた、さらなる高みへと上って行くことが要求される。そうして進化は続くのだが、現時点で頂点を極める特別な2モデルがほぼ同時期に発表された。果たしてこれは偶然なのか。(文:西川 淳 写真:フェラーリS.p,A/MotorMagazine2024年12月号より)

スーパーなのは、単なるスペックだけにあらず

画像: クローズドボディを被せたフォーミュラカーとでも言えそうな凄まじきフェラーリ。最高速は350km/h、0→100km/h加速は2.15秒だ。

クローズドボディを被せたフォーミュラカーとでも言えそうな凄まじきフェラーリ。最高速は350km/h、0→100km/h加速は2.15秒だ。

画像: F40やル・マン24時間レースウイナー、499Pも想起させる。

F40やル・マン24時間レースウイナー、499Pも想起させる。

一方、十日遅れて登場したF80の実物もチェックすることができたが、見るからにレーシングモンスターであった。こちらはいろんな意味で衝撃のスタイルだった。デイトナSP3のようなエレガントさはない。その代わり、F50やエンツォを初めて見たときの違和感があった。これから先、十年以上は新鮮さを保つスーパーカースタイルとなるだろう。

エンジンは3L V6電動ツインターボで、F1やWECマシン用のテクノロジーが惜しみなく注ぎ込まれている。エンジン単体でなんと300ps/Lというから恐れ入る。アクシャルフラックスモーター3基とバッテリーを加えたハイブリッドシステムを持ち、システム総合最高出力は1200ps。乾燥重量は1525kgで、パワーーウエイトレシオは1.27kg/ps。ロードカーとして凄まじい数字だ。限定799台で、何と3.6ミリオン€(約6億円弱)。

ゼロ発進加速こそ4WDのF80が圧倒しそうだが、それ以降の加減速スペックはよく似ているし、高速域において1トン以上のダウンフォースを得るなどダイナミックな数字だけを見ればまさに宿命のライバル。ただドライビングフィールはかなり違うと予想する。

「美しいマシンは速い」のか、はたまた「速いマシンが美しい」のか。いずれにせよ超ハイテク制御とエアロダイナミクスにおいて、スーパーカーは新たな次元に突入したと言えそうだ。

画像: 2シーターではあるが、基本的にはドライバー重視のレイアウト。

2シーターではあるが、基本的にはドライバー重視のレイアウト。

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