ベントレーの4ドアサルーンであるフライングスパーが、第4世代へ進化を果たした。新型の大きな進化はパワートレーンで、トップモデル「スピード」がプラグインハイブリッド車(PHEV)となった。アメリカ・アリゾナ州でいち早くハンドルを握った印象をお届けする。(文:山崎元裕 写真:ベントレーモーターズ/MotorMagazine 2025年2月号より)
想像以上に効率的なエネルギーマネジメント
まずはデフォルトともいえるドライブモードの「B」を選択する。

インテリアはインフォテインメントが最新世代へ進化した一方で、物理スイッチも残されているのは嬉しい。

さまざまなインターフェイスがデジタライズされながらも、ベントレーらしい「質感」を失っていないところはさすが。
バッテリー残量はほぼ100%なので、車速が140km/hを超えるか、あるいはアクセル開度が75%以上にならないかぎりは、エンジンは停止したままEV走行を続ける。
当然のことではあるが、この時のキャビンは静かで、振動のレベルも小さい。
リアシートは外観から想像すると、ルーフラインの湾曲がやや大きく感じられるため、ヘッドスペースが制限されているようにも思えるが、実際はフットスペースやシートの座り心地ともに、さすがはベントレーの作。
そこに迎え入れるパッセンジャーをより気づかうのならば、「コンフォート」モードを選んで、乗り心地をさらに優しくすればよい。
ハイウエイに入り、速度が140km/hを超えると、V8エンジンが始動した。その回転は実にスムーズで、中速域から感じるトルク感もまさにスペックどおり。
エネルギーモニターを見ていると、その制御は意外に頻繁に行われていることがわかる。運動エネルギーを電力に変換し、再びバッテリーに蓄える、回生システムの制御にも違和感はない。