類まれな安心感を引き出す精密なライドコントロール
782psのパワーをフルに引き出せるようなシーンにはなかなか出くわすことはなかったが、やはりそのような時にはサスペンションやハンドルに、よりリニアな印象が感じられるようになり、とくにステアフィールの正確さはコーナリングにおいては大きな魅力となる。

リアシートは標準で2名、オプションで2+1のシートを選択できる。かけ心地、装備ともに極上そのものだ。

PHEV化されたがラゲッジルーム容量は346Lを確保する。写真のように付属の充電ケーブルも収納できる。
そして常に安心してこのフライングスパー スピードのコーナリングを楽しめるのは、駆動方式がフルタイム4WDであることにも大きな理由がある。
常に最適な駆動力が4輪から路面に伝達される効果、そしてアクティブトルクベクタリング付きのLSDや、ツインバルブを持つダイナミックライドコントロールによる制御も、また見事だった。
このモデルのドライブをショーファーに譲るのはあまりにも惜しい。なぜならそれはベントレーの言葉どおり、4ドアのスーパーカーにほかならなかったからだ。
フル加速を試みれば、0→100km/h加速を3.5秒で駆け抜け、最高速度は285km/hを達成するという、新型フライングスパー スピード。その一方、WLTPサイクルで829kmの航続距離と33g/kmのCO2エミッションを実現するというのだから、これは現代のスーパーカーに求められる性能であるともいえる。
そう、彼らの主張は正しかったのだ。
ベントレー フライングスパー スピード 主要諸元(欧州仕様車)
●Engine&Motor 種類:V8ツインターボ+モーター総排気量:3996cc ボア×ストローク:86.0×86.0mm 圧縮比:9.7 エンジン最高出力 kW(ps)/rpm 441kW(600ps)/6000rpm エンジン最大トルク:800Nm(81.6 kgm)/2000-4500rpm 燃料・タンク容量:プレミアム・80L WLTPモード燃費:10.4km/L CO₂排出量:33g/km
●Battery&Motor バッテリー容量:25.9kWh モーター最高出力:140kW(190ps) モーター最大トルク:450Nm(46.2kgm)
●Dimension&Weight 全長×全幅×全高:5316×1988×1474mm ホイールベース:3194mm トレッド 前:1670/後:1664mm 乾燥重量:2646kg 最小回転サークル:12.4m
●Chassis 駆動方式:4WD トランスミッション:8速DCT ステアリング形式:ラック&ピニオン サスペンション形式 前:ダブルウイッシュボーン/後:マルチリンクタイヤサイズ 前:275/35R22・後315/30R22
●Performance システム最高出力:575kW(782ps) システム最大トルク:1000Nm(102.0kgm) EV航続距離:76km 0→100km/h加速:3.5sec.