1974年のデビュー以来、最新型は8.5世代目となっている世界的ベストセラー車・VWゴルフ。初代モデルは1975年3月から日本への導入が開始され、今年で50周年を迎える。ここでは、その半世紀の足跡を辿った「VW ゴルフ クロニクル vol.1」(2025年2月25日発売)から、モーターマガジン誌1980年2月号で取材したゴルフ1に登場したコンバーチブルモデル「ゴルフ カブリオ」の試乗記事より、その抜粋した内容をお届けしよう。

ゴルフに生きるVW伝統のコンバーチブル

画像: 欧州大陸では、アメリカでいうコンバーチブル的なモデルをカブリオレ、またはキャブリオレ(仏)と称し、英国ではドロップヘッドクーペと称する。ゴルフの新オープンモデルは、こうした呼び方からカブリオ(CABRIO)と呼称されることになった。

欧州大陸では、アメリカでいうコンバーチブル的なモデルをカブリオレ、またはキャブリオレ(仏)と称し、英国ではドロップヘッドクーペと称する。ゴルフの新オープンモデルは、こうした呼び方からカブリオ(CABRIO)と呼称されることになった。

時代にはいつも敏感な西独の、それもウォルフスブルグのフォルクスワーゲン社は、石油危機の最中であった1974年に、丸かったワーゲンを角にしたゴルフを発表し、効率の高いエンジンをもったマルチユースのファミリーカーとして、あっ、という間にベストセラーカーにカムバックをはたしてしまった。

さらにそれまで類を見なかったSOHCの小型高速ディーゼルエンジンの実用化は大きな戦力となり、世間にディーゼル乗用車のブームを盛り上げ、あらゆるメーカーのマスターモデルにされた功績は言いつくせるものではない。これほど緻密で地に足のついたマーケティングから、光りを求める1980年代を予感するかのように、1979年3月のジュネーブショーで、かつてのVWビートルにラインアップされていたコンバーチブル・モデルをゴルフに移して発表した。

セダンと同等の快適性を確保するソフトトップ

画像: 運転席の様子。補強バーを隠すために設けられたパーセルトレイだが、実用性はかなり高い。

運転席の様子。補強バーを隠すために設けられたパーセルトレイだが、実用性はかなり高い。

スタイルはフロント部とドアが普通のゴルフと共通なので、誰の眼にもこれがゴルフのバリエーションであることは察しがつくものの、モノコック・ボディをオープン・タイプにすることで、外からはなかなか判らないが、ボディの失われる剛性をとりもどすために相当の苦心のあとが見られる。

同じカルマンによるかぶと虫のコンバーチブルでもそうであったように、カブリオでも古典的に、たたんだ幌はボディの外にむき出しに置かれる方法をとっている。

これはオープン時に、ルームミラーによる後方視界を阻害するデメリットがあるものの、幌のためにリア・シートのスペースやトランク・スペースを少しも侵害しないという大きなメリットを有している。さらにリア・ウインドーには、この種としては信じられないほど大型の本物のガラスが取り付けられていて、しかも熱線入りのデフォッガーまで備わっている。

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