初代フォレスター:SF型 [1997−2002]
初代フォレスター登場の2年前、1995年の第31回東京モーターショーにコンセプトカー「ストリーガ」が展示された。初代インプレッサをベースに250psの2L 水平対向ターボエンジンを搭載したストリーガは、セダンにはない「アイポイントの高さと乗降性」、ワゴンにはない「走破性と室内のゆとり」、そして、クロカン4駆にはない「走りの良さと使いやすさ」を追求した、「新ジャンルのマルチスポーツ4WD」だった。

1995年に開催された第31回東京モーターショーで公開されたコンセプトカー「ストリーガ」。
1997年2月にデビューした初代フォレスターは、この「ストリーガ」のコンセプトを受け継いで登場。正式デビュー前の1996年10月には、米国インディアナ・モータースピードウエイで24時間世界速度記録(ハーマントロフィー)に挑戦したことでも大きな注目を集めた。

初代フォレスターは正式発表を前に、米国インディアナ・モータースピードウエイで24時間世界速度記録に挑戦。平均速度180.082㎞/hの新記録を樹立した。
フォレスターはスバル初のクロスオーバーSUVとして登場したが、すでに最低地上高をアップさせてSUVテイストの外観を特徴としたレガシィグランドワゴンやグラベルEXで成功を収めていたスバルは、クロスオーバーSUVカテゴリーに参入するにあたって、世界トップクラスのポテンシャルにこだわった。
誕生した初代フォレスターは、インプレッサをベースに、250psを発生するEJ20型水平対向4気筒ターボエンジンを搭載してデビューした後、1997年7月に2L自然吸気エンジン、1998年9月には2.5L自然吸気エンジン仕様を追加したほか、2001年にはSTIがモータースポーツフィールドで培ったノウハウを注ぎ込んで開発したコンプリートカー「STI II タイプM」をリリース。
さらにその後も、多くの仕様を追加し、走りに磨きをかけていった。なお、駆動方式は4WDモデルのみで、FFモデルが設定されることはなかった。
乗用車とクロカン4駆それぞれのメリットを進化・融合させる「Best of Both(SUVと乗用車それぞれのメリットの融合)」という考え方は、現在でもフォレスターの世界観を端的に示すキーワードとして広く使われている。

STIがモータースポーツフィールドで培ったノウハウを注ぎ込んで開発したコンプリートカー「STI II タイプM」。