「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ボルボ XC60 T5 Rデザインだ。
ボルボ XC60 T5 Rデザイン(2012年:特別仕様車)

前後バンパーやアルミホイールなど専用パーツでドレスアップ。ボディカラーも8色用意されている。
世界でいちばん売れている(編集部註:2012年)ボルボがXC60。日本では3番目に売れているらしい。そんなXC60に走りも見た目もスポーティな「Rデザイン」が、FFのT5をベースに特別仕様車として登場した。日本でも人気を呼びそうだ。
世界的な大ヒットを続け、ボルボ史上最多販売モデルとなっているXC60。そもそもSUVとクーペの融合から誕生したが、よりスポーティクーペらしい乗り味を手に入れたいという声に応え、ボルボの他モデルで成功しているRデザインが投入された。
Rデザインと言えば、専用エアロパーツや大径タイヤ&ホイールなど、エクステリア系が特別バージョンであるほか、インテリアや走り味もかなりシャープになることで知られているが、今回も専用スポーツサスペンション、強化アンチロールバー、10%クイックなギアレシオを持つステアリングなどが採用されている。

本革/シルクメタルのスポーツステアリングホイールやアルミニウムパネルなど、インテリアも専用アイテムを装備する。
しかも、このXC60 RデザインはFFモデルだ。とはいえ、オンロード専用というわけではない。最低地上高は225mm確保され、オフロードでの走破性も考慮されている。パワーユニットは最高出力240psと最大トルク320Nmを発生する2Lの直4ターボエンジンに、ボルボの6速DCT(デュラルクラッチ トランスミッション)を組み合わせる。
この「ギアトロニック」と呼ばれるDCT、トルコンATのフィーリングに限りなく近いというのが持ち味なので、DCTが苦手とする極低速の発進時などにもギクシャク感が出にくい。ストップ&ゴーの多い街中でも違和感がない。