ブライトのデザインテーマを採用する、MHEVのB5系グレード
EセグメントのSUV、いわゆるプレミアムSUVと言われるジャンルにあたるボルボのフラッグシップSUV、XC90が外観変更をともなう大幅改良を受けて日本市場で発売されたのが2025年2月のこと。主にフロントマスクをモダン化するとともに、インフォテインメントを含めたコクピットまわりをブラッシュアップするなどデザインの近代化を図ってきた。
2015年(日本では2016年1月)に発売されて以降、先進運転支援システムやパワートレーンなどが何度か改良されてきたが、デザインはこれまで刷新されてこなかった。デザインの、とくに外観の印象はクルマの購入を決める大きな要素になると言われている中で、しかも現行型の登場からまもなく10年が経とうとしている中でも、実はXC90の日本での販売状況は悪くなかった。
1000万円前後(従来型)の車両価格を設定するプレミアムモデルでありながら、ここ数年はコンスタントに年間1200台前後を日本で販売し続けているのだ。存在を強く主張せず優しさを感じられるスカンジナビアデザインであること、そして高級ミニバンユーザーの需要に応える3列シートを備えていること、充電機能を備えたPHEVを用意することなど、さまざまな要因が重なって根強い人気を獲得しているのではないだろうか。

XC90のリアシートは3分割可倒式。3列目シートも格納したり、ラゲッジスペース左右のくぼみを活用するなど、長尺ものの積載もできる。
注目を集める要素のひとつであるエクステリアデザインは、すでにXC90 ウルトラ T8 PHEVを紹介した記事でも書いているとおり、2025年2月の大幅改良でヘッドライトやバンパーグリルなどフロントマスクを中心に刷新された。
また「ダーク」と「ブライト」のふたつのデザインテーマに分けられて、ここで紹介するMHEVグレードの「XC90 B5 ウルトラ AWD」は後者、ボディ各部にクロームメッキ調のパーツを採用してプレミアム感を与えられたモデルだ。とくにクロームメッキ調の斜線、ルーバーが交差するように重なるフロントグリルの存在感は強く、スポーティさを感じられる「ダーク」と大きく差別化されているようにも見える。

プレミアム感を高める「ブライト」のフロントグリル。ボルボのアイアンマークにある矢印から着想を得た斜線で構成される。