「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、アウディ S6/S7だ。
アウディ S6/S7(2012年:フルモデルチェンジ)

2010年に発表された初代A7スポーツバックに翌2011年に追加設定されたS7スポーツバック。日本では2012年から発売された。
アウディのスーパー アッパーミドル軍団、S6(セダン & アバント)、S7スポーツバックの新型が続々日本デビュー。S6は4代目、S7はこれが初代となる。パワーユニットのV8ツインターボは気筒休止システムも備え、ハイパフォーマンスとエコの両立を目指している。今回は、S7スポーツバックを中心にS6アバントも試乗した。
最近のアウディ車のデザインや走りには心打たれることが多い。そんな中、ベース車の発売からしばらくして「S」、さらに「RS」といった高級&高性能モデルをリリースする近年のアウディの慣例に則って、A6/A7の高性能版である、S6/S7が発売された。
最大のポイントは、最高出力420psと最大トルク550Nmを発生する4LのTFSI V8ツインターボエンジン。低回転から発せられる力強いトルク感が印象的だ。0→100km/h加速は4.6〜4.7秒と、かなり速い。それでいてスタートストップ(アイドリングストップ)システムやエネルギーリカバリーシステムが付く上、条件が整うと4気筒を休止させる「シリンダー オンデマンド システム」を搭載した点にも注目したい。
8気筒から4気筒になると、普通は音や振動で変化を感じるはずのところ、アクティブノイズコントロールがそれを打ち消す音を発生。メーターに4気筒モードである旨が表示されるのだが、ドライバーには何も感じさせないところがスゴい。

4LのV8ツインターボは、低負荷時には4気筒を休止させるシリンダー オンデマンド システムを採用している。