1974年のデビュー以来、最新型は8.5世代目となっている世界的ベストセラー車・VWゴルフ。初代モデルは1975年3月から日本への導入が開始され、今年で50周年を迎える。ここでは、その半世紀の足跡を辿った「VW ゴルフ クロニクル vol.1」(2025年2月25日発売)から、モーターマガジン誌1983年11月号で取材した二代目モデル、通称「ゴルフ2」の最初の取材記事、当時の西ドイツ・ミュンヘンで開催された国際試乗会の記事より、その抜粋した内容をお届けしよう。

「ゴルフからゴルフへ」をポリシーとして新型登場

画像: 試乗会場の新型ゴルフ。6穴スチールホイール装着車が1.3Lモデル、9本スポークアルミホイール装着車は1.6Lモデル、円盤状ホイールキャップ装着車が1.8Lモデル。

試乗会場の新型ゴルフ。6穴スチールホイール装着車が1.3Lモデル、9本スポークアルミホイール装着車は1.6Lモデル、円盤状ホイールキャップ装着車が1.8Lモデル。

ゴルフ誕生以来9年ぶりのモデルチェンジだが、VWにとっては決して遅くはないリファインだ。それは世界中の小型車がゴルフをあたかもマスター・モデル視したため、進歩のテンポが非常に速くなったからだ。

ニュー・ゴルフは誰がどこから見たところで「ゴルフ」然としており、古い友人に再会した時のような安心感がある。VW社はこうした印象を見越したように、「ゴルフからゴルフへ」という実に的を射たスローガンを用いている。これほど明快に企業ポリシーと新型車を説明できるとは、さすがVWは大物といった感じだ。

広い室内スペースとCD=0.34の空力フォルム

画像: 一見すると従来のゴルフとあまり変化がないように見えるが、全長170mm、全幅で55mm大きくなり、CD値も0.34へ大幅に向上している。(写真は4ドアの1.3Lモデル)

一見すると従来のゴルフとあまり変化がないように見えるが、全長170mm、全幅で55mm大きくなり、CD値も0.34へ大幅に向上している。(写真は4ドアの1.3Lモデル)

見たところ、それほど大胆にサイズアップしたとは思えないボディだが、空気抵抗係数(CD値)は0.34と優秀。前面投影面積が増加していながら、従来型より約19%も向上させた車体デザインは超一流級の技術。スタイリング決定の作業には、オリジナル・デザイナーのジウジアーロはほとんど関与していない。“多少の意見を聞いた”程度で、最近ポルシェ流に独立した「VW・デザイン」がすべての作業を行ったそうである。

一旦キャビンに入り込めば旧ゴルフに乗ったことのある人なら直ちにこの車の大きさを実感できる。特に室内幅はゴルフと別物に思える余裕だ。そして何より「フォルクスワーゲン」というイメージから、はるかに離れたように豪華さが増した。これは主として、フルトリムの内張りと大型化したメーター・クラスターを持つ新デザインのフェシアによる。

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