2025年6月13日、 F1第10戦カナダGPがモントリオール セント・ローレンス川にある人工島に作られたジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで開幕する。モナコほど特殊なコースではないが、パーマネントサーキットとは異なる半公道サーキットは、変わりやすい天候と気温がドライバーを悩ませる。またオーバーテイクは可能であるものの滑りやすく、しばしば派手なアクシデントが発生する。

3つのDRSゾーンの設定でオーバーテイクは十分に可能

カナダGPの舞台となるのはジル・ヴィルヌーヴ・サーキット。1967年のモントリオール万博の会場跡地を利用して作られたコースで、ふだんは公園およびローラースケートやウォーキングなどのコースとして使われているため、金曜日は路面が滑りやすくグレイニングが見られる。走行を重ねると徐々にラバーが乗ってくるため、ラップタイムは急速に縮まってくる。

画像: モントリオール セント・ローレンス川にある人工島に作られた美しいコース。かつてはイル・ノートルダム・サーキットと呼ばれていたが、このサーキットでF1初優勝を飾った地元の英雄にちなんでジル・ヴィルヌーヴ・サーキットと呼ばれるようになった。スタートライン上にはいまも”Salut Gilles”(やあ、ジル)とペイントされている。

モントリオール セント・ローレンス川にある人工島に作られた美しいコース。かつてはイル・ノートルダム・サーキットと呼ばれていたが、このサーキットでF1初優勝を飾った地元の英雄にちなんでジル・ヴィルヌーヴ・サーキットと呼ばれるようになった。スタートライン上にはいまも”Salut Gilles”(やあ、ジル)とペイントされている。

コースレイアウトは長いストレートと深く切れ込んだコーナーの組み合わせが特徴。ストレートからのブレーキングでオーバーテイクのチャンスはあるが、ブレーキへの負荷は大きく、トラクションの良さやエンジンパワーなど複数の要素がからみあうためコースの攻略は簡単ではない。

一方でオーバーテイクは3つのDRSゾーンのおかげで十分に可能で、とくにストレートエンドの最終の13-14コーナーは絶好のポイントとなる。ただしオーバースピードで縁石に乗ってアウト側のコンクリートウォールに激突するアクシデントが多く、1999年に3人の世界チャンピオン、デイモン・ヒル、ミハエル・シューマッハ、ジャック・ヴィルヌーヴがここでレースを終えたことにちなんで「チャンピオンの壁=Wall of the Champions」と呼ばれている。

問題はこの時期の変わりやすい天候。雨の心配だけでなく、天候の変化により路面温度が40度に達することもあるなど気温の変化も課題となる。タイヤへの負荷は大きくないのでタイヤ戦略は1ストップが主流になると思われるが、このコースはピットストップロスが小さくオーバーテイクが可能なこともあり、2ストップが有利となる可能性もある。

昨年、サーキットは全面的に舗装し直されたが、摩耗が少なく滑らかでグリップが小さいという、このサーキットの特徴はそのまま維持されている。

画像: 全長 4.361 km のジル・ヴィルヌーブサーキットのコース図。連続するストレートとタイトなシケイン、そして14のコーナー(左コーナー6つ、右コーナー8つ)を特徴とする。ブレーキング時の安定性と効率的なトラクションが不可欠なストップ&ゴーサーキット。

全長 4.361 km のジル・ヴィルヌーブサーキットのコース図。連続するストレートとタイトなシケイン、そして14のコーナー(左コーナー6つ、右コーナー8つ)を特徴とする。ブレーキング時の安定性と効率的なトラクションが不可欠なストップ&ゴーサーキット。

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