フォルクスワーゲン ゴルフ(2012年:7代目フルモデルチェンジ)

フロントアクスルを43mm前に出して、ホイールベースは59mm延長。それでもゴルフらしいスタイルに変わりはない。
2012年9月に発表された、7代目となるフォルクスワーゲン(以下、VW)ゴルフの国際試乗会が開催されたのは、地中海に浮かぶイタリア領サルディニア島。冬でも温暖な気候ゆえ、多くのヨーロッパ メーカーがイベントに用いるこの地は、面積が日本の四国ほどにも達するために、実はいったん上陸すると「島」という感覚は薄い。一方で、都市部を少し離れれば空いたワインディングロードの宝庫。なるほど、テストドライブには打ってつけの場所なのだ。
全長で56mm、全幅は13mm、ホイールベースでは59mm・・・と、従来型に対しては小幅ながらもまた着実に大きくなった新型。それはまた、VWが推進する新たなモジュール式プラットフォーム戦略〝MQB〞の導入などを含め、7代目は「すべてが新しくなったゴルフ」でもある。
スタイリングはご覧のように、どのアングルから見てもゴルフそのものだ。より徹底されたフラッシュサーフェス化やシャープさを増したプレスのラインなど、見比べれば「なるほど、こちらの方が新しい」と感じられる部分は確かにある。ドライバー側へ少しオフセットしたセンターパネルの新採用など、ダッシュボードをはじめインテリア各部ももちろん一新されている。
ただし、見た目だけで従来型のユーザーに買い替え意欲を持たせるのは、ちょっと難しいか?と、正直そんな印象も拭えない。端的に言って、あまり変わり映えしないかな?と思われても、やむを得ないだろう。
しかし、そうした少しネガティブとも思える第一印象は、いざ走り始めるとたちまち打ち砕かれた。従来型ユーザーを含めて、誰が乗っても即座に「これは確かに新しい!」と実感できる走りのテイストを、スタート直後から味わわせてくれたのだ。

さらに上質感が高まったインテリア。細かく走行モードが選べたり、タッチスクリーン式のナビ/オーディオも装着されていた。