メルセデス・ベンツは2025年7月2日(現地時間)、同社の次世代電動バン「VLE」による約1100kmのロングディスタンス試験走行を実施。シュトゥットガルトからアルプスを越え、ローマまでわずか2回・各15分の充電のみで完走したことを発表した。

2タイプのプレミアムミニバンが市販化に向け着実に進化中

アルプス山脈を越える曲がりくねった急勾配の峠道では、リアアクスルステアリングが(後輪操舵システム)効果を発揮。ローマ市街地のタイトコーナーでも軽快で機敏なハンドリングを確認できた。この取り回しの良さは日常ユースにも大きな利点となるだろう。

画像: 曲がりくねった峠道ではリアアクスルステアリングによって俊敏なハンドリングを披露。

曲がりくねった峠道ではリアアクスルステアリングによって俊敏なハンドリングを披露。

また、1年前にはVLEの初期テスト車両がシュトゥットガルトから北欧ノルウェーのノルトカップ(北岬)までを縦断。また、2025年冬にはスウェーデンで厳寒環境下のテストも実施済みだ。今回のローマ行きは、南欧での暑熱環境における耐久性や効率性の検証に位置づけられている。

画像: ドイツ・シュトゥットガルトからアルプスを越え、ローマまでの1090kmを駆け抜けたメルセデス・ベンツVLEのテスト車両。

ドイツ・シュトゥットガルトからアルプスを越え、ローマまでの1090kmを駆け抜けたメルセデス・ベンツVLEのテスト車両。

VLEが属するのは、2026年から導入される新しい電動バン専用プラットフォーム「Van Electric Architecture(VEA)」を基盤としたMPV群である。このアーキテクチャは、プライベート向けと商用向けを明確に差別化できる柔軟性を持ち、顧客の多様なニーズに応える商品展開を可能とする。

特にプライベート用途のMPVには、「グランドリムジン」として「VLE」と「VLS」の2モデルを用意。最大8名乗車のVLEは、ファミリー層やアクティブなライフスタイルを送るユーザー、あるいはVIPシャトル用途など多目的に対応。一方、より高級志向のVLSは、プレミアムミニバン市場に新たな定義をもたらすとされる。

このグランドリムジン戦略は、北米(アメリカ・カナダ)や中国といった市場をターゲットに、真の電動ラグジュアリーを提供する初のミドルサイズEV MPVとして展開される予定だ。

画像: 今回はVLEのテスト車両2台が過酷なテストをクリアした。

今回はVLEのテスト車両2台が過酷なテストをクリアした。

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