2025年に「日本上陸50周年」というアニバーサリーイヤーを迎えたフォルクスワーゲン ゴルフ。その記念すべき年に合わせてモーターマガジン社から発行されたムック「VW ゴルフ クロニクル vol.2」から、見どころの一部をご紹介しよう。今回はMotor Magazine誌1993年11月号に掲載された、2代目ゴルフカブリオレの本国試乗記、冒頭部をダイジェストでお届けする。

カルマン社の術式による、完璧に近い仕上がり

それにしても先代カブリオの寿命は長かった。欧州車のカブリオやワゴンのモデルチェンジは必ずしも本体のそれとはシンクロしないのは周知の事実だが、1974年にデビューした初代ゴルフのバリエーションとして1979年に登場して以来、実に14年間も生産され、39万台以上が世界を走り回った。この間にゴルフ自体は2回も変わったのだから、カブリオは“きんさん・ぎんさん”なみの長寿車だった。

ニュー・カブリオは、もちろん3代目、つまり最新のゴルフをベースとする。カブリオへの外科手術は先代と同じくカルマン社が担当した。

画像: リアシート下部に収まるディフレクターを引き出せば、風の巻き込みは一挙に減少する。

リアシート下部に収まるディフレクターを引き出せば、風の巻き込みは一挙に減少する。

カルマン社が心をくだいたのは、ボディの補強とホロの処理だ。アンダーパネル、ダッシュパネル、フロント/リア部に手を加え、カブリオの泣き所であるボディ剛性を確保し、トップの収納も一段と容易にした。隠しワザとしては、細かいシェイクを抑えるために車両後部とエンジンマウント部に配された、バイブレーション・ダンパーもある。

画像: 2代目カブリオのグレードは「ベーシック」と「アバンギャルド」の2タイプ。アバンギャルドはボディ同色グリル、アルミホイール、ワイドタイヤ、ブラックのフェンダーアーチモールなどでスポーティさを強調する。

2代目カブリオのグレードは「ベーシック」と「アバンギャルド」の2タイプ。アバンギャルドはボディ同色グリル、アルミホイール、ワイドタイヤ、ブラックのフェンダーアーチモールなどでスポーティさを強調する。

このため車重は140kgほど増えたが、ボディはあたかもバスタブのようにガッシリしたものになり、軋みやバイブレーションとはきっぱり手を切ることができた。重箱のスミ的にあえて言えば、微かにスカットルシェイクが感じられることがあり、トップを付けた高速走行で控えめな風切り音が出たが、それ以外は完璧な手術といっていい。(続きはムックにて……)

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