2025年に「日本上陸50周年」というアニバーサリーイヤーを迎えたフォルクスワーゲン ゴルフ。その記念すべき年に合わせてモーターマガジン社から発行されたムック「VW ゴルフ クロニクル vol.2」から、見どころの一部をご紹介しよう。今回はMotor Magazine誌1993年11月号に掲載された、2代目ゴルフカブリオレの本国試乗記、冒頭部をダイジェストでお届けする。

高水準の安全性と快適性を併せ持つ、ゴルフシリーズのトップモデル

僕は決してゴルフ・フリークではない。むしろその逆かもしれない。しかし、北ドイツ、ハノーバー郊外で行われた、ニュー・ゴルフ カブリオの試乗会でのリリースを見て、“う〜ん、さすがだな”と思わされた。それは、安全性追求への対応の徹底ぶりだ。

画像: ベーシックはスチールホイール185/60R14。車高が10mm低いこのアバンギャルドはアルミホイール&195/50R15。ホロの開閉は容易で、オプションで電動油圧式開閉装置も装着できる。リアシートは、ゴルフⅢが広くなった分、旧カブリオよりも広い。

ベーシックはスチールホイール185/60R14。車高が10mm低いこのアバンギャルドはアルミホイール&195/50R15。ホロの開閉は容易で、オプションで電動油圧式開閉装置も装着できる。リアシートは、ゴルフⅢが広くなった分、旧カブリオよりも広い。

オープンモデルの乗員の保護のための、いかにも頼りがいのありそうなロールバーは先代からの伝統だから驚かないとしても、すべてのモデルに運転席/助手席のデュアルエアバッグとABSが標準装備されているのは、時代が時代だとはいえ、メーカーの姿勢というか、大きく言えば哲学じみたものを感じさせられないわけにはいかない。ドア内部に備わるサイドインパクトバーは、言わずもがなである。

画像: トランクルーム容量は旧型の220Lから270Lにアップ。トランクフードのスポイラーエッジは新鮮。

トランクルーム容量は旧型の220Lから270Lにアップ。トランクフードのスポイラーエッジは新鮮。

こうした装備だけでなく、ボディそのものが堅牢だからこそ、最近の「アウト・モーター・ウント・シュポルト」誌のクラッシュテストでも、ゴルフⅢは日本車を大きく引き離す好成績を収めたのだろう。ごく普通のクラスのクルマで、この安全性の高さは特筆に値する。

もうひとつ驚いたのは、乗り心地の良さと2L 4気筒SOHCエンジンのスムーズさだ。それは、これまでのVW車の常識を覆すに足る。コーナーでのロールは決して少ない方ではないが、GTIのそれのように過剰には感じられず、しなやかといえる域に達した。吹け上がり、振動ともに、まず文句のつけようがない。

VW側の説明では、足、エンジンともに大きな変更は加えていないとのことだったが、おそらく94年型ゴルフは同じようなセッティングで来るだろう。コンフォートに対するウォルフスブルクのこの新回答は歓迎できる。

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