こだわり続けてきたオフロード性能も変わらない

軽量化だけでなく多段化されたATの効果もあるのか、オンロードでもオフロードでも走りの感触は従来型よりも遥かに軽かった。
最強のスーパーチャージャー付きモデルで走り始めると、なるほどその感触は従来型よりも遥かに軽い。それもそのはずで、その0→100km/h加速タイムは、同エンジン同士でも0.8秒速い5.4秒。そこには、軽量化の効果のみならずATが6速から8速へと多段化された影響も含まれるが、新型の加速感は文句なく軽やかでスムーズだ。
オンロードでのハンドリングも、正確性と軽快感を増した一方で、今回もイヤというほどにその実力の高さを教えられたのが、歴代モデルがこだわり続けてきたオフロード性能だ。モロッコで開催された国際試乗会でのルート上には、砂丘から険しいヒルクライム、大雨が大地を削り取ったかのようなガレ場など、さまざまな種類のオフロードがタップリ用意されていた。
が、新しいレンジローバーは従来型に勝るとも劣らない逞しさで、そんなシーンを楽々と乗り切ってしまう。しかも、足まわり/駆動系のセッティングやエンジン/トランスミッションの制御を包括的に切り替える独自のシステムの「テレイン レスポンス」には、そのモード変更が自動で行われるロジックも加えられた。
レンジローバーは、ここに来て「世界で最も豪華で快適なSUV」というフレーズに、またもしっかり磨きをかけたのだった。

写真のV8ガソリン+S/Cをトップに、V8ガソリン&ディーゼル、V6ディーゼルなどを搭載。トランスミッションはいずれも8速AT。
ランドローバー レンジローバー オートバイオグラフィ(日本仕様) 主要諸元
●全長×全幅×全高:5005×1985×1865mm
●ホイールベース:2920mm
●車両重量:2520kg
●エンジン:90度V8 DOHC+S/C
●総排気量:4999cc
●最高出力:375kW(510ps)/6500rpm
●最大トルク:625Nm(63.8kgm)/2500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・105L
●JC08モード燃費:5.3km/L
●タイヤサイズ:275/40R22
●当時の車両価格(税込):1670万円