ランボルギーニ ジャルパ(LAMBORGHINI JALPA:1981〜1989)

ベースとなった「シルエット」の面影を強く残しながら高性能化を図ったのが、このジャルパだった。
1980年代前半、日本ではスーパーカーブームの波は過ぎ去っていた。そんな中でも、ランボルギーニはカウンタックを小変更しながら生産を続け、フェラーリの512BBや308GTB/GTSなどは真のスポーツカーファンから愛され続けていた。
とくに快進撃を続けていたのはフェラーリの308GTB/GTSだった。だがカウンタックこそ気を吐いていたものの、ランボルギーニはV8搭載車の不振が続いていた。308GTB/GTSに対抗すべく、ウラッコ、シルエットと続けて投入したものの、販売的にはライバルを打ち負かすことはできなかった。そこで開発されたのがジャルパだった。
ジャルパは、1981年のジュネーブ モーターショーで発表された。その車名は多くのランボルギーニ車同様、有名な闘牛に由来している。ベースとなったのは、1976年に発表されたシルエット。スタイリングはベルトーネが手がけ、バンパー&スポイラー、エンジンフードなどがより獰猛なデザインにリファインされていた。

インパネのデザインもかなり凝ったものだった。ステアリングホイールにはクラッシュパッドが備わっている。
シルエット同様、リアミッドに横置き搭載されたV8のDOHCエンジンは、ストロークを伸ばして排気量を3.5Lに拡大。排出ガス規制の関係もあり最高出力は255psとなったが、最大トルクはシルエットより4kgmも増強した32.0kgmとなり、ドライバビリティを大幅に向上させている。
インテリアでは、シートにリクライニング機構も備えて快適性を高めたり、ステアリングホイールにクラッシュパッドを装備して衝突安全性を考慮したりといった改善もなされている。1984年のマイナーチェンジで、エアコンとパワーウインドーが標準装備された。
そうしたリファインにもかかわらず、結局ジャルパもライバル視した308GTB/GTSを凌駕することはできなかった。総生産台数は400台で1989年に生産終了。当時、日本でのインポーターはJAXカーセールスで、販売価格はフェラーリ308GTBiより90万円高い1540万円だった。割高感も販売面で不利だったのは否めない。

1984年のマイナーチェンジではエアコンとパワーウインドーが標準装備となり、快適性を高めている。
ランボルギーニ ジャルパ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4330×1880×1140mm
●ホイールベース:2450mm
●車両重量:1510kg
●エンジン種類:90度V8 DOHC
●総排気量:3485cc
●最高出力:255ps/7000rpm
●最大トルク:32.0kgm/3500rpm
●燃料・タンク容量:有鉛ハイオク・80L
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:横置きミドシップRWD
●タイヤサイズ:前205/55VR15、後225/50VR16