現行デリカミニの成功が導いた大進化
ekクロススペースから生まれ変わったことで、月販平均はそれまでと比べて約4倍も増加する大成功を収めた現行デリカミニ。この成功により新型の開発にあたっては、デリカミニで目指したい方向性や技術投入への優位性が高まったそうです。
すなわち、ekスペースやルークスと同時に開発が進められるなかで、新型デリカミニで採り入れたいデザイン要素や技術を、優先的に開発へ落とし込むことができたと言います。
具体的にエクステリアから確認してみると、大きなデザインコンセプトは現行デリカミニから変わっていません。「やんちゃカワイイ」を目指したアイコニックなフロントデザインや三菱らしいタフでラギットなSUVテイストは、完全に継承されています。
が、新型で注目したいのはベースとなるボディ造形です。現行モデルではekスペースやルークスで目指された、いい意味でスーパーハイト軽ワゴンに見えない「スタイリッシュさ」が主にサイドパネルを見ると感じられました。抑揚のあるボディ造形と後端にかけてキックアップするサイドのキャラクターラインがそれに当たりますが、デリカミニの世界観にはややモダン的だったように思います。

写真左が新型デリカミニ、右が現行デリカミニ。基本的なデザインモチーフは共通するが、ダイナミックシールドがボディ同色となったり、Aピラーがより立った形状になるなど進化している。
新型ではキャラクターラインがより複雑で力強い印象へ生まれ変わったほか、リアクォーターガラスの部分はキックアップせずに室内空間の広がりを感じさせるデザインとなりました。また、Aピラーの角度を縦方向へ立たせたことで、特にサイドから見た時の「ゴツくて広そう」という、まさにデリカらしい装いが実現されました。
フロントやリアのデザインを見てもボンネットフードはデリカミニ専用に設計された迫力感あるものが採用されていますし、バックドアの形状もデリカミニ専用のものが用いられるなど、キャラクターを体現するに必要なデザイン要素を上手に採り入れています。
技術面で見ると待望の「ドライブモードセレクター」が装備され、デリカらしい悪路走破を意識した「グラベルモード」「スノーモード」が採り入れられました。また三菱自動車で初となるカヤバ製ショックアブソーバー「Prosmooth」を実装し、走破性能と快適性をデリカミニに合わせて最適化されています。
と、一見すると現行モデルと変わっていないように見える新型ですが、世界観や技術面では、大幅な進化を遂げています。