1990年代に登場して、デザイン性や使い勝手の良さ、そしてやわらかな走行性能などで人気を博してきたボルボの「クロスカントリー」が初めてBEVに設定され、発売された。新世代ボルボと旧来からの派生モデルがどのようにクロスオーバーするのか、試してきた。(写真:佐藤正巳)

専用設定の足まわりが生む、個性的な走行性能

2023年8月に日本での販売をスタートしたボルボ初のBEV専用車、EX30に初めて試乗したときに感じた運転のしやすさ、そして従来からのボルボ車とは少し違ったスポーティな印象に驚かされたことを覚えている。

ドライバー前面にディスプレイを配置せず、メーター情報をセンターディスプレイ上段に集約して前方視界を広くとったコクピットや大きなガラスルーフ、死角を小さくするAピラーとフレームレスのサイドミラーなど、とにかく安全志向のドライビングポジションを確保されている。その上で、微調整しやすいアクセルペダルのストローク、ワンペダルドライブの使い心地など操縦性にも優れている。

そんなEX30に、長年親しまれている派生モデル「クロスカントリー」が追加されることが発表されたのは2025年2月のこと。6カ月後の8月21日には日本でも発売された。そのスタイリングはクロスカントリーの公式どおり、全高を15mm高められて1565mm、最低地上高は195mmとしている。

これは標準で45%だったタイヤの扁平率を50%としているからで、サスペンション変更に伴うものではないという。そもそもEX30がクロスオーバーSUVの雰囲気を纏っていたのだから、あえてもう一段高める必要はなかったのかもしれない。

画像: ボディ下部はマットブラック統一ではなく、前後バンパー下に「ヴェイパーグレー」の加飾が追加されてアクセントとしている。

ボディ下部はマットブラック統一ではなく、前後バンパー下に「ヴェイパーグレー」の加飾が追加されてアクセントとしている。

EX30はもともとマットブラックの樹脂パーツでボディ下部の四方をぐるりと加飾されたエクステリアデザインとしていたが、クロスカントリーではさらに前後シールドとフェンダーにも採用の範囲を広げてオフローダーテイストを加味している。中でもフロントシールドは、スウェーデンに実在する山「カブネカイセ」の地形を表す等高線を描かれて、幾何学模様のようなアクセントを加えられている。

ボディ各部にはいくつかの「CROSS COUNTRY」のロゴが配置されているが、ぜひ実車で探してみて欲しい。V70の頃のエンブレムからほぼデザインを変えていないというので、少し懐かしさを味わえるはずだ。

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