「いまどき」じゃない燃費と維持問題

ダッシュボードも柔らかいソフトパッドだったり、本木目やアナログ時計などいま見ても作りも良く豪華なプログレの内装。しかし、20年ともなると、さすがに樹脂パーツも経年劣化には敵わない。そもそも購入時からエアコン吹き出し口左側にはヒビもあった。パネルを外した時に付いたのだろうか。
そしてもうひとつの懸念材料は燃費。元々、期待はしていませんでしたが、昨今の燃料高騰を考えると、燃費が良いに越したことはありません。ですが、街乗りは8〜9km/Lといったところでしょうか。高速走行中心でなんとか10km/Lを超えてくるという感じです。燃料タンクは70Lありますから、空っぽで満タンにした時には、変な汗が出るレベルです。ちなみに当時のカタログ値は11.6km/Lなので、機関コンディションも20年落ちの中古車と考えれば、上々なのではないでしょうか。
さらに、ちょっとした驚き、というか問題がありました。それは納車直後、ETCとドライブレコーダーを取り付けにカー用品店に行ったところ、インパネ分解時にパネルが割れる可能性を理由にいったん断られました。私、普段もっと古いクルマに乗っているDIY派なので、あまり作業のことは気にしていませんでしたが、プログレ世代でも樹脂パーツの経年硬化は大問題です。
そこで、自分で取り付けようかと思いましたが、作業する時間がとれないので再度確認したところ、万が一パネルが割れてしまっても了承してくれるのであれば作業可能とのこと。自分で作業しても割れる時は割れますから(上の写真のように、購入時から一部ヒビが入っていた部分も)、今回はプロに頼むことにしました。すると、なんとか割れずに無事装着ができました。
2000年代セダンを維持するなら、日々のメンテナンスも重要になります。購入店で見てもらえるなら心強いですが、そうでなければ面倒を見てくれるお店を探しが必要です。また、部品の問題もあります。生産終了から10年以上経ったクルマの部品の製造を廃止しているところもあるわけで。
このプログレも今後、さらに不良や問題が出てくるかもしれません。20年前のクルマですから、それも当然と言えば当然ですが、その都度どう対処するか、引き続きレポートしていきます。

Motor Magazine9月号の特別企画「ちょいふるセダンはじめました」では、トヨタプログレをはじめ、BMW 3シリーズ、アルファロメオ156、プジョー406、日産スカイライン、スバルレガシィB4が登場。2000年代のセダンにいま乗ってみるとなにを感じるのか、モータージャーナリストの渡辺敏史さんが執筆。(写真:平野 陽)