「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、マツダ アテンザワゴンだ。

CX-5で感じた気になるクセも修正されていた

画像: 低速域では、いわゆる「ディーゼルっぽい音」が聞こえることがあるが、高速域では音はほとんど気にならない。

低速域では、いわゆる「ディーゼルっぽい音」が聞こえることがあるが、高速域では音はほとんど気にならない。

ディーゼルエンジンの魅力は豊かなトルク、これに尽きる。低回転域から抜群に力強いので、少ないアクセルワークで強力な加速が得られる。ガソリンエンジンだと4000rpm前後まで引っ張らないと軽快さが出てこないが、最新のターボディーゼルは2000rpmあたりで上のギアにつないでいくだけで同等の加速が得られる。そのため、楽だし、燃費が良いのも納得だ。

初期のCX-5は、この強力な低速トルクが低速時のアクセルのオン/オフに直接出てしまいギクシャクすることもあったが、アテンザは6速ATにキックダウンスイッチを設けて、低いギアを多用しなくすることで解決した。そのため市街地も走りは非常にスムーズだ。ちなみに、CX-5もすでに同様の改良を受けている。

ディーゼルが真価を発揮するのは高速の長距離移動。豊かなトルクは速度の維持がラクな上、ピックアップも良いので前走車を追い越すのも簡単だ。しかも燃費が良いので航続距離も長い。また、スカイアクティブDはディーゼルなのに良く回るのも特徴。圧縮比を低くした結果、ムービングパーツを軽くできたからだ。リミットは5000rpmとガソリンに比べれば低めだが、全開にするとそこまできっちり引っ張る。ディーゼルらしからぬ吹け伸び感も備えている。

高い剛性を誇るスカイアクティブ シャシもいい仕上がりで、乗り心地は及第点と言える硬さだし、何よりフットワークがとても良い。そのため、ワインディングロードでの走りもの楽しめた。さらに、アイドリング時のカラカラしたノック音や、始動時の振動も圧縮比が低いため非常に低レベル。アイドルストップの再始動でもディーゼルと気がつかない人は多いだろう。アテンザのディーゼルは人気に違わず、死角が見当たらなかった。

画像: SKYACTIVのエンジンカバーの色はブルーが採用されていたが、このアテンザからブラックとなり、見栄えは少し地味になった。

SKYACTIVのエンジンカバーの色はブルーが採用されていたが、このアテンザからブラックとなり、見栄えは少し地味になった。

マツダ アテンザワゴン XD Lパッケージ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4800×1840×1480mm
●ホイールベース:2750mm
●車両重量:1530kg
●エンジン:直 DOHCディーゼルターボ
●総排気量:2188cc
●最高出力:129kW(175ps)/4500rpm
●最大トルク:420Nm(42.8kgm)/2000rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:軽油・62L
●JC08モード燃費:20.0km/L
●タイヤサイズ:225/45R19
●当時の車両価格(税込):340万円

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