伝説として始まり、革新へと至ったスーパーカーたち。1970年代の懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまで紹介していこう。今回は、フェラーリ 456GTだ。

フェラーリ 456GT(FERRARI 456GT:1992〜2003)

画像: 全長4730mmの美しいファストバック スタイルは、のちに登場する550マラネロにも継承された。

全長4730mmの美しいファストバック スタイルは、のちに登場する550マラネロにも継承された。

フェラーリが久しぶりにV型12気筒エンジンを搭載したFRのスーパースポーツカーを発表したのは1992年のことだった。その名は「456GT」。456という車名は、かつてのフェラーリ伝統の車名の付け方であった、1気筒あたりの排気量(正確には456.19cc)に由来する。

456GTは、スーパーカーというよりラグジュアリーな2+2グランツーリスモと呼ぶほうがふさわしいモデルだった。「デイトナ」と呼ばれた365GTB/4以来、実質的に絶えて久しかったフロントエンジン フェラーリの復活を告げることになる。

デザインを担当したのは、それまでのフェラーリ車同様ピニンファリーナで、ピエロ・カルマデッラが手がけた。長いエンジンフードやリトラクタブル式ヘッドランプ、そしてファストバックのテールなどが、「新世代デイトナの誕生」と多くのティフォシから大歓迎を受けた。フェラーリの市販車初の6速MTと駆動力を伝えるデファレンシャルを一体でリアにマウントする、トランスアクスル方式を採用したことも、デイトナを彷彿とさせた。

画像: 最高速度は300km/h、0→100km/h加速は5.2秒、0→400m加速は13.3秒、0→1000m加速は23.3秒をマークしたV12エンジン。

最高速度は300km/h、0→100km/h加速は5.2秒、0→400m加速は13.3秒、0→1000m加速は23.3秒をマークしたV12エンジン。

新開発のオールアルミニウム製65度V型12気筒DOHC48バルブ エンジンの排気量は5473cc。10.6の圧縮比とボッシュモトロニックM2.7電子制御燃料噴射装置を組み合わせて、最高出力は442ps、最大トルクは56.0kgmを発生した。

贅沢を極めたキャビンは、コノリー製のレザーをふんだんに使い、エアコンはもちろん、パワーウインドー&電動リモコンミラー、CDプレーヤー付きオーディオなどを標準装備した。しかも、プラス2とはいえ大人4名が乗車でき、トランクスペースも十分な容量を確保していた。

1996年には4速ATを採用した456GTAが追加、1998年にはマイナーチェンジされて車名を456M(Mはモディファイの意味)とされ、2003年までにトータルで3300台近くが生産された。

画像: コノリー製レザーを使用したインテリア。後席への乗降の際、前席のバックレストを倒すと自動的に前にスライドする。

コノリー製レザーを使用したインテリア。後席への乗降の際、前席のバックレストを倒すと自動的に前にスライドする。

フェラーリ 456GT 主要諸元

●全長×全幅×全高:4730×1920×1300mm
●ホイールベース:2600mm
●車両重量:1870kg
●エンジン種類:65度V12 DOHC
●総排気量:5473cc
●最高出力:442ps/6250rpm
●最大トルク:56.0kgm/4500rpm
●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・110L
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:トランスアクスル式FR
●タイヤサイズ:前255/45ZR17、後285/40ZR17

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