全長約4.2mのコンパクトBEV、EX30のラインナップが従来の1グレードから5グレード展開に拡大。これにともない車両価格帯も「プラス」の479万円から「クロスカントリー」の649万円まで幅広くなった。その中から、2モーター式4WDシステムを採用するアッパーグレードに試乗し、その特性を確認した。(写真:永元秀和)

怒涛の加速力とワンペダルドライブの扱いやすさ

BEVのフルラインナップ化計画を撤回したとはいえ、2040年までにクライメートニュートラルな企業になるという目標を掲げるボルボにとって、新型BEVの開発と市場投入は目標達成のための道筋のひとつ。コンパクトモデルに加えて、すでに欧州や中国をはじめとする海外ではES90やEM90といったラージモデルも展開。さらにミドルサイズSUVとなるEX60を2026年1月に公開することも予告されている。

BEVラインナップの拡大傾向は日本市場も同様で、26年初頭には大型SUVであるEX90が追加投入されると言われていること、そして従来モノグレード展開だったEX30は10月号で紹介したEX30 クロスカントリーも含めると5グレード展開への広がりを見せている。その中から、今回の試乗車となったのが「ウルトラ ツインモーター パフォーマンス」だ。

画像: 空力特性に配慮したカバーを装着した20インチホイールに、グッドイヤー エフィシェントグリップのタイヤを組み合わせる。

空力特性に配慮したカバーを装着した20インチホイールに、グッドイヤー エフィシェントグリップのタイヤを組み合わせる。

パワートレーンはクロスカントリーと共通しており、その名のとおり前後車軸にふたつのモーターを搭載したことで、システム総合でのパワーは最高出力428ps、最大トルク543Nmを発生、ととにかく強大。0→100km/h加速3.6秒という数値は、BMW M3セダンの3.5秒とほぼ同じということからも、その加速性能の高さを想像できるだろう。

一般的な速度域であればどこからでも瞬時に強い加速を発生させるモーター駆動車らしく、高速道路巡航中の追い越しはスムーズ・・・というよりもあっという間に完了し、ワンペダルドライブによる回生ブレーキで巡航速度に戻していく。そんなキビキビした走りを可能にしてくれる。

画像: モーターパワーが強大になり、ホイールサイズが大きくタイヤの扁平率が低くなっても、ボルボらしい快適性の高さは健在。

モーターパワーが強大になり、ホイールサイズが大きくタイヤの扁平率が低くなっても、ボルボらしい快適性の高さは健在。

ちなみに、EX30のワンペダルドライブは従来オン/オフしか選択できなかったが、この26年モデルから高/低/オフの3モードを選択できるようにシステム変更されている。ICE搭載車から乗り換えるユーザーなら、アクセルペダルから足を離すとエンジンブレーキより少し強く減速する程度の「低」がコントロールしやすく、同乗者にとっても乗りやすいだろう。またワンペダルドライブはペダル踏み替え回数の低減がメリットとして挙げられるが、EX30はとくに、滑るように停止するスムーズさも魅力のひとつ。

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