はこぶ、つかう、に新たなステップを刻む
大いに期待したい、という意味では、「はこぶ」領域を支える平野石油株式会社が考える「役割」にも、注目していきたい。自社営業所と提携会社によって日本全国に自社ローリーを使った燃料の運搬ネットワークを構築する平野石油は、主にBtoB分野での効率的な「少量配送」を実現している。
少量配送は、必要な時に必要な量を無駄なく供給できる。同時に、特殊な環境や災害時などの環境でも対応が可能なところに、メリットがあるという。
そうした最適な配送サービスのノウハウを活かすことで、サステオ51を日本全国に届けることが可能になる。平野石油は同時に、地下や高層階といった特殊な環境においても給油が行える燃料配送ならではの「対応力」を、災害時にも生かす「BCP(Business Continuity Plan)対応」を提案しているという。
2011年3月の東日本大震災を始め、実際に発生した災害後のさまざまなリスクには、エネルギーの安定確保という課題も含まれている。物資運搬や移動手段としてのトラックや自動車だけでなく、非常時の発電などにも使える軽油は確かに災害時に頼りになる。
平野石油はそうした観点から、消防法の適用外となる(事前の消防署への確認を推奨)容量190Lの簡易給油機をさまざまなシーンで活用することを提案する。サステオ51に関しても普段は「脱炭素」で貢献し、もしもの時の「備え」として活用することが、企業としての「信頼」というブランド強化にも役立つ、と考えているのだ。
基本、建設現場で使われる重機への供給を主としている平野石油だが、ちょっと畑違いのビジネスパートナーへの「供給」も始まった。お相手は、グループとしての「社会的価値創造」の一環として「ネットゼロ」を目指すSMBC三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)だ。
同グループの三井住友銀行は2025年4月から、メガバンクとしては初めて次世代バイオディーゼル車(マツダCX-80)を社用車として導入。同社ビルの地下駐車場に簡易給油機を設置して、運用ずる。こちらもBCP対応の一環としての利用が前提となるという。
1日も早いバイオディーゼルの導入を願うディーゼル車ユーザーである筆者的には、願わくば週に一度くらいCX-60とかCX-80に乗っているユーザー向けに一般公開してもらえるとうれしい。「知名度アップ=PR」という意味でも、非常に効果的だと思うのだが、いかがだろう。

消防法の規制に触れない簡易給油機。一家に一台・・・は無理でも、うちの会社にも一台欲しい。後ろはいすゞのバスだが、こちらもHVOの社会実装プロジェクトに関わる車両だ。