革新が求められる日本のエネルギー政策にあって、もっとクリーンな内燃機関に対する期待値は確かに高まっている。その一翼を担う次世代バイオディーゼルの試乗会を通して、なによりも「普通」であることの大切さと喜びを知ることができた。

次世代ディーゼル×MHEV×HVO=バッテリーEVを凌ぐ燃費効率

プレゼン後の「試乗会」では実際に、サステオ51を使ったCX-60/CX-80のハンドルを握ることができた。

画像: 静粛性、スムーズさなど、SKYAXTIV-D 3.3の美点は、サステオ51を使用してもまったく損なわれていなかった。キャリブレーションがHVO混合に最適化されていない場合は、ノイズなどが発生することもあるという。

静粛性、スムーズさなど、SKYAXTIV-D 3.3の美点は、サステオ51を使用してもまったく損なわれていなかった。キャリブレーションがHVO混合に最適化されていない場合は、ノイズなどが発生することもあるという。

搭載される直6ディーゼルターボ「SKYACTIV-D 3.3」は、HVOのメリットを引きだすための最新技術が盛り込まれている。とくに2段エッグ燃焼室/多段燃料噴射など独自の燃焼技術を採用することで、従来のディーゼルユニットでは解消できなかった異常燃焼を抑え、全域でスムーズなフィーリングを実現できたのだ。

実際、試乗前、同乗した開発者に「軽油と比べるとどんな違いがあるのか?」と尋ねたところ「ほとんど違いません」という、なるほど確かによどみない回転感やノイズの少なさは、「いつものCX-60」に他ならない。

しかもHVOが本領を発揮することのできるエンジンとして、燃焼キャリブレーションを最適化するとともに、48V MHEVや高効率な8速ATと組み合わせることで、LCAを通してのCO2削減は、バッテリーEVのそれを凌ぐ分析結果(マツダ調べ)も公表されている。

画像: ガソリンエンジンの場合も含めて、ハイブリッドとバイオ燃料の併用はBEVを凌ぐエネルギー効率を発揮できるという。(写真:マツダ)

ガソリンエンジンの場合も含めて、ハイブリッドとバイオ燃料の併用はBEVを凌ぐエネルギー効率を発揮できるという。(写真:マツダ)

規格や税制といった課題を克服した先の、ちょっとだけ未来の内燃機関は意外に「普通」で「違和感」のないところが魅力だった。あとは、自分自身を巡る「生活環境負荷」もできるだけ低減してもらいたい、と切望する。

資源エネルギー庁による別のレポートでは、バイオディーゼルの価格動向についてHVOは軽油の3~5倍程度であると考えられる、と報告されている。マツダ調べでは欧州書状でのHVO小売価格は、軽油比で同等~10%程度に抑えられているというから「やりよう」はあるのだ、と思いたい。かの地では現在の生産量が年間約400万トン、2030年には1550万トンのHVO100の生産を目指しているというから、規模感は圧倒的に違うのだけれど。

ちなみに西ヨーロッパ向けランドクルーザーとハイラックスのディーゼルモデルは、すでにHVO100ディーゼルと互換性があるという。欧州車メーカーの動向も含めれば、需要の方でもある程度の「マス」が確保できるかもしれない。

結局はメーカー、行政、なによりもユーザーがどこまで本気でCN燃料の「可能性」に賭けることができるか、が確かに問われていることを実感させる試乗体験だった。(写真:伊藤嘉啓/マツダ)

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