モーターマガジンムック「ランサーエボリューションChronicle」が現在モーターマガジン社より発売中だ。ハイパワー4WD車の代表として多くのファンから支持されてきたランサーエボリューション。その変遷を詳細に解説した内容が好評を博している。ここでは、同誌からの抜粋をお届けする。今回は前人未到のWRCドライバーズタイトル4連覇を果たしたトミ・マキネンを記念して発売されたランサーエボリューションⅥ「トミー・マキネンエディション」について解説しよう。

ランエボの顔ともいえるT・マキネンを称えるスペシャルモデル

画像: 実用的な4ドアセダンをベースにしたグループAカーながら、マッシブなシェイブもランエボ人気の一因だった。

実用的な4ドアセダンをベースにしたグループAカーながら、マッシブなシェイブもランエボ人気の一因だった。

WRC史上初の4年連続ドライバーズチャンピオンに輝いたトミ・マキネン選手の偉業を記念して、同選手の名前を冠した特別仕様車がランサーエボリューションVI「トミー・マキネンエディション」だ。発売は1999年12月になる。通称〝トミマキ仕様〞とか〝エボ6.5(ロクテンゴ)〞とも呼ばれる。

トミ・マキネンは、1964年6月24日生まれで、フィンランド・ユバスキラ出身だ。WRC初参戦は1987年の1000湖ラリー。1990年にギャランVR-4グループN仕様車でグループNカップランキング3位となり脚光を浴びる。1995年から三菱ラリーアートチームに移籍し、翌1996年から4年連続でドライバーズチャンピオンを獲得した。

画像: コクピットはブラック&レッドで統一。メーターはブラック地にオレンジの目盛りが刻まれる。ステアリングはMOMO。

コクピットはブラック&レッドで統一。メーターはブラック地にオレンジの目盛りが刻まれる。ステアリングはMOMO。

トミマキ仕様は、ランサーエボリューションシリーズの中でも記念碑的な意味のあるモデルだ。エボVIをターマック(舗装路)向けに特化させ、内外装にWRCを彷彿させる演出を施したのが特徴だ。パワーユニットはもちろん4G63型。中低速でのトルク及びレスポンスの向上を狙い、コンプレッサーホイール径の小型化および翼形状を変更したハイレスポンス・チタンアルミ合金ターボチャージャーを採用した(GSRは標準装備、RSにはメーカーオプション設定)。排気系では、排圧低減による性能向上と、排気音の低減を狙い大口径シングル真円テールパイプを採用した新構造スポーツマフラーを装備したのも注目された。

シャシは基本的にはエボリューションVIと同一だが、初期応答性を高めた専用チューニングのターマック仕様サスペンションを採用した(GSRは標準装備、RSにはメーカーオプション設定)。また、ステアリングギアボックスは、RSエボリューションVIに標準装備となっていたクイックステアリングギア比仕様をGSRにも標準装備した。ボディに関しては、空力特性の向上とエンジン吸気温度の低下による出力性能の安定化を狙った、新デザインのフロントバンパーを採用したことが注目された。エアブローダクトの見直しによりさらに空力特性の向上を狙った新デザインのフロントバンパーエクステンションも採用している。

画像: 複雑な構成のリアマルチリンクサスペンション。ジオメトリーもエボリューションⅥから変更されている。

複雑な構成のリアマルチリンクサスペンション。ジオメトリーもエボリューションⅥから変更されている。

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