ランボルギーニ ガヤルド(LAMBORGHINI GALLARDO:2003〜2013)

2010年に登場したガヤルドLP570-4 スーパーレジェーラ。アルミとカーボンによるボディは標準モデルより90kg軽量化され、高い走行性能を示した。
1970年代、ミウラに続きカウンタックがランボルギーニのフラッグシップとして君臨していた頃には、「ベビー ランボ」と呼ばれる弟分的なV8エンジンを搭載したウラッコやシルエットといったモデルがラインアップされていた。しかし販売的には苦戦を強いられ、1989年にジャルパが生産を終了して以来、ベビー ランボの系譜は途絶えていた。
オイルショック以後、出資元が5回も代わるなど、不安定な経営を続けていたが、1998年にアウディの傘下となり、経営的に安定したランボルギーニは新たなフラッグシップであるムルシエラゴを2001年に発表し、さらに久しぶりのベビー ランボの開発に着手する。
こうして、ウラッコ、シルエット、そしてジャルパと続いた「日常で使えるスーパーカー」の復活を目指し、2003年に誕生したのがガヤルドだ。その車名はランボルギーニ伝統の闘牛の名前ではなく、18世紀のスペインで闘牛飼育家だったフランシスコ・ガヤルドに由来しているという。
それよりも1970年代のベビー ランボとガヤルドの決定的な違いは、ミッドシップ搭載されたパワーユニットがV8ではなくアウディ直系のV10エンジンだったことだ。バンク角90度のアルミニウム鋳造ブロックを採用し、5Lの排気量からデビュー当初のモデルですでに500psの最高出力を発生していた。アウディ直系ということで信頼性が大きく高まったのは事実だろう。

スーパーレジェーラの5.2L V10エンジンは570psを発生。トランスミッションは6速MTかセミATが選べる。
トランスミッションは6速MTが標準で、ほかにeギアと呼ばれるセミATもオプション設定された。このあたりも新生ランボルギーニを感じさせる。駆動方式は、ディアブロやムルシエラゴに通じる4WDを基本としており、センターデフにはビスカスカップリング式LSDを採用し利便性と走破性を上げていた。ここも4WDのパイオニアたるアウディのノウハウを盛り込んだ部分だ。
ムルシエラゴの弟分的な、ベビー ランボにふさわしいスタイリングのデザインは、ランボルギーニ社のチェントロスティーレ(スタイルセンター)と呼ばれるデザインスタジオによるものだが、ベースはジウジアーロのアイディアだったと言われている。ただし、ドアの開閉はフラッグシップ ランボルギーニに採用され続けているシザードアではなく、普通のスイング式となっている。
ガヤルドは登場後も、毎年のように派生モデルやスペシャルモデルを追加して人気を高めていく。ランボルギーニが勢いを取り戻したのは喜ばしいことだった。スパイダーやRWDモデル、さらに2010年にはアルミとカーボンによる超軽量モデル「LP570-4 スーパーレジェーラ」も登場。2008年のマイナーチェンジではV10エンジンの排気量が5.2Lにアップされている。

2005年に追加されたガヤルド スパイダー。電動ファブリックルーフを採用したフルオープンモデルで、ルーフはエンジンコンパートメントに収納される。
ランボルギーニ ガヤルド LP570-4 スーパーレジェーラ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4386×1900×1165mm
●ホイールベース:2560mm
●車両重量:1340kg
●エンジン種類:90度V10 DOHC
●総排気量:5204cc
●最高出力:570ps/8000rpm
●最大トルク:55.1kgm/6500rpm
●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・90L
●トランスミッション:6速AMT
●駆動方式:リア縦置きミッドシップ4WD
●タイヤサイズ:前235/35ZR19、後295/30ZR19
				
				

