ランサーセディアからギャランフォルティスをベースにしてフルモデルチェンジ

280paをすべてのドライバーに楽しんでもらうコンセプトは、これまでの三菱自動車の4WD技術があってのことだ。
2007年10月に登場したランサーエボリューションXは、それまでのランサーエボリューションとは一線を画す新世代の高性能4WDセダンとして登場した。その進化はこれまでのランサーエボリューションの歴史と、三菱自動車の強いこだわりを示している。パワーユニットは、2L直4DOHC MIVECターボという点では4G63型と同じだが、MIVECの採用が4G63型では吸気側のみだったところを4B11型では吸排気の両方に採用された。これでより最適なバルブタイミングで燃焼を安定させることが可能になり、全回転域での出力向上を実現した。
ターボチャージャーはチタンアルミ合金製タービンホイールとアルミ合金製コンプレッサーホイールを組み合わせた。コンプレッサーホイール形状の最適化により過給レスポンスを向上し、低中速域のトルクを強化している。後方排気レイアウトの採用も特筆すべき点で、エキゾーストマニホールドを車体後方側に配置することで排気効率の改善に貢献するだけでなく、エンジン搭載位置を低くすることが可能になり、低重心化を実現した。また後方排気によるターボチャージャーの熱こもり対策としてボンネットフードにNACAダクトを設け、走行中の冷却に加え停車時の熱気排出にも配慮している。

先代と比べてボリューム感が圧倒的に増したリアビュー。それでも引き締まった筋肉質のシルエットを感じさせる。
重量バランスも考えられた。エボリューションXもFFベースであるためフロントが重くなる対策としてバッテリーをトランク後方へ移設し、前後バランスの改善が図られた。これは副次的なことだが、エンジンルームのスペース確保にも繋がり、吸排気パイプの取り回しが容易になるなどのメリットも生まれた。
トランスミッションもエボリューションXの大きな注目点だ。GSRにはクラッチペダルの操作が不要で俊敏な変速を可能とする新開発の6速自動マニュアルトランスミッション)ツインクラッチSST「スポーツシフト・トランスミッション」が設定された。これはゲトラグ社と三菱自動車の共同開発によるもので、エボリューションX用に最適化したのは三菱自動車によってだ。
油圧によってクラッチ操作とシフトチェンジが行われるプログラムセッティングは一般道はもちろんニュルブルクリンクなどでも行われた。操作性においては、いわゆるAT感覚で運転できるオートシフト「Normal」とマニュアルでシフト操作ができるマニュアルシフトが設定されている。モード選択についてはシフトレバー脇のスイッチで変速タイミングやアクセルレスポンスが異なる「Normal」「Sport」「S-Sport」の3モードが選択可能だ。特にオートシフトモードの「S-Sport」ではレブリミットぎりぎりでのシフトアップやブレーキングと同時に適切なギアへの素早いシフトダウンなどプロドライバーが行うような走りを誰もが安全に楽しむことができる。

先代と比べてさらに迫力を増したように見えるフロントビュー。逆スラントノーズの面構えは個性的なものとなった。
純粋なモータースポーツユーザー向けにはの5速MTも設定された。これはモータースポーツベースであるRSに設定され、ラリーのダート競技だけでなく、スーパー耐久シリーズなどサーキットでの豊富なデータから得たノウハウが活かされたもの。4B11型の性能に合わせて高いトルク容量を確保しながらコンパクト化にも配慮し、1速から4速はクロスレシオをベースに、1速は発進性、5速は高速巡航性を考慮したギア比となっている。

