モーターマガジンムック「ランサーエボリューションChronicle」が現在モーターマガジン社より発売中だ。ハイパワー4WD車の代表として多くのファンから支持されてきたランサーエボリューション。その変遷を詳細に解説した内容が好評を博している。ここでは、連載最終回としてベース車がギャランフォルティスになり、パワーユニット、シャシともに一新したエボリューションⅩについて解説しよう。

エクステリアと合せて空力性能も徹底的に見なおし

空力性能にもこだわり、ロー&ワイドボディ、逆スラントノーズからルーフ、テールエンドへのフォルムは見た目だけでなく徹底的な風洞実験によって最適化された結果だ。これにエアロパーツを組み合わせることで良好な空力特性を持っている。一例を挙げればGSRに標準装備された大型リアスポイラーは車体上面の空気の流れに合わせて中央部と両端部で仰角を変えるねじれ形状を採用。車両床下の空気の流れも考慮し、空力特性の向上を追求しながら駆動系の冷却も図った。リアバンパー下部はディフューザー形状とし、床下の空気を効率良く排出させるとともにリアフォルムを際立たせた。

フロントマスクはエクステリアとしての力強さはもちろん開口面積拡大やダクト設置により高い冷却性能と空力性能を確保し、精悍な造形としている。エンジン性能を効率良く発揮させるにはいかに空気を効率良く取り込むかが重要なのは言うまでもないが、ここを改善したわけだ。エンジンフードとフロントフェンダーにはエンジンルームの熱を効率良く放出するためのエアアウトレットを設置している。

画像: ボディシルエットと調和したリアウイングを装着。空気の流れに合せて、中央部と両端部で迎角を変えた捻じれ形状としている。

ボディシルエットと調和したリアウイングを装着。空気の流れに合せて、中央部と両端部で迎角を変えた捻じれ形状としている。

インテリアもドライビングへの集中力を高めるべく操作性・機能性を重視するとともに、新世代のスポーツセダンに相応しい質感・快適性の実現を目指したものとなった。本革巻ステアリングホイールは小径タイプとスムーズな操作感にこだわり、操作性を重視してS-AWCモード切替スイッチをスポーク上に配置した。インストルメントパネル形状の変更はセンターパネル部をドライバーに近づける一方、膝前のスペース確保に繋がり、機能的かつ快適なドライバー環境を実現した。

タイヤ&ホイールについてはGSRには245/40R18の低偏平ワイドタイヤと、12本スポークのエンケイ社製高剛性18インチ鋳造アルミホイールを標準装備した。さらに軽量なBBS社製18インチ鍛造アルミホイールもメーカーオプションで設定され、表面に光輝処理を施してドレスアップ性も高めている。ブレーキシステムはGSRにブレンボ社製ベンチレーテッドディスクブレーキ(フロント18インチ用、リアインチ用)を採用した。これにより制動性能が向上し、ペダル操作フィーリングも改善されている。エボリューションXでは従来のランサーエボリューションシリーズで課題だった「止まる」性能を強化するため、ブレーキサイズを1インチ上げて18インチホイール対応とした。さらに軽量化のためあえてキャリパーをツーピースタイプにしている。

現代的なクルマとしてのオペレーションも充実

画像: GSRのコクピット。ステアリングホイールはスイッチ類もありやや重々しいが、上質感とスポーティ感の両立を目指している。

GSRのコクピット。ステアリングホイールはスイッチ類もありやや重々しいが、上質感とスポーティ感の両立を目指している。

安全装備として衝突速度に応じて展開力を2段階で制御し乗員の拘束力を最適化するデュアルステージ方式の運転席&助手席SRSエアバッグや、ギャランフォルティスおよびデリカD:5にも採用された運転席SRSニーエアバッグをGSRに標準装備したのも現代的だ。SRSサイド&カーテンエアバッグはメーカーオプションで設定されている。また夜間走行での視界をサポートするため、ステアリング操作に連動して曲がる方向の補助灯を点灯させるアダプティブフロントライティングシステム(AFS)やディスチャージヘッドライトをGSRに標準装備した。ユーティリティ面では雨量に応じてワイパーの作動速度を自動調整する雨滴感応オートワイパーや、周囲の明るさを感知してヘッドライトを自動的に点灯・消灯するオートライトコントロールをGSRにメーカーオプション設定した。

また車両盗難対策としてイモビライザー、セキュリティアラームを標準装備した(セキュリティアラームはGSRのみ)。オーディオユーティリティとしては、大容量30GBのハードディスクを内蔵した7インチワイドディスプレイHDDナビゲーション「MMCS」をGSRにメーカーオプションとして設定した。アウトランダーなどに採用されたロックフォードフォズゲートプレミアムサウンドシステム(9スピーカー、ハイパワーアンプ、ドア内部制振処理によるスピーカーボックス遮音構造)もGSRにメーカーオプションで設定されている。

現代的なクルマとしての装備も付加され、キーをポケットやバッグから取り出さずにドアのロック/アンロックやエンジンの始動/停止を行えるキーレスオペレーションシステムもGSRにメーカーオプション設定され、軽い操作で方向指示灯を3回点灯させるコンフォートフラッシャーや、ヘッドライトやフォグランプ消し忘れ防止ヘッドライトオートカット機能など安心・便利機能(ETACS:エレクトリックタイム・アンド・アラーム・コントロールシステム)も標準装備される。

画像: 現代のクルマらしくパッシブセーフティも充実。前席SRSエアバッグは標準装備。サイドカーテンエアバッグはオプション。

現代のクルマらしくパッシブセーフティも充実。前席SRSエアバッグは標準装備。サイドカーテンエアバッグはオプション。

こうした充実した装備とトレードオフになるが、エボリューションXはエボリューションIX MRに比較して約100kg重くなっている。この重量増の内訳は衝突安全に関する部分が約50kgで、これは現代の安全基準に対応するためのボディ構造の強化などによるものだ。またエンジン性能向上に関する部分が約25kgで、パワーとトルクの向上に伴う駆動系(デフサイズ、ギアの強化など、大型化)が強化されたため。残りはブレーキサイズやタイヤサイズのアップに関する部分で、制動力とグリップ性能の向上に伴う大径化と強化によるものだ。これらの重量増は性能アップと安全性確保のために避けられないものだ。

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