モーターマガジンムック「ランサーエボリューションChronicle」が現在モーターマガジン社より発売中だ。ハイパワー4WD車の代表として多くのファンから支持されてきたランサーエボリューション。その変遷を詳細に解説した内容が好評を博している。ここでは、連載最終回としてベース車がギャランフォルティスになり、パワーユニット、シャシともに一新したエボリューションⅩについて解説しよう。

世界中でモータースポーツを楽しむ顧客が支持

モータースポーツでの活躍だが、エボリューションXにもモータースポーツベース車となるグレード「RS」が設定された。三菱自動車にはメーカーである以上「モータースポーツのベースは絶対に提供すべき」という考えがあり、特にランサーエボリューションはWRCで生まれ育ったクルマであり、世界中でモータースポーツを楽しむ顧客が多く存在するため、RSは必須という考えが根底にあったという。RSは6速MTではなく5速MTのみの設定など、最初から割り切った仕様となっている。この5速MTはクロスレシオトランスミッションとして非常に徹底されたもので、競技参戦時にも有効なものだ。当初エボリューションXのモータースポーツでの活躍は未知数といわれた部分も多かった。

画像: S-AWCという統合制御によって280psというハイパワーを「特別な運転技術がなくても引き出せるようにした」という意図が開発の背景にあった。

S-AWCという統合制御によって280psというハイパワーを「特別な運転技術がなくても引き出せるようにした」という意図が開発の背景にあった。

課題としては車両価格の高さが第一のハードルとなり、高価なクルマを競技車に仕立てる人が限られるという点が挙げられる。またすべてがブランニューとなったことで市販パーツが不足していることもモータースポーツでの普及を遅らせる要因となった。トップクラスで勝負できるクルマにするには非常に高コストとなるのは否めなかった。モータースポーツユースで考えた場合の車両特性としては、車両自体の重さ、ロングホイールベース、ワイドトレッドといった部分は従来のランサーエボリューションのコンパクトな「取り回しの良さ」と反するものであり、有利に働くとは言えない側面もあった。もちろん時間の経過とともにパーツも供給され、プライベーターの競技車も台数を増していったが、4G63型搭載のランサーエボリューションと共存するような形での活躍となった。

ランサーGSRエボリューションⅩ主要諸元

●全長×全幅×全高:4495✕1810×1480mm
●ホイールベース:2650mm
●車両重量:1520kg
●エンジン:直4DOHC16バルブ+インタークーラーターボ
●排気量:1998cc
●最高出力:280ps/6500rpm
●最大トルク:43.0kgm/3500rpm
●トランスミッション:6速TC-SST
●駆動方式:フルタイム4WD
●10.15モード燃費:10.0km/L
●車両価格(当時):375.06万円

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