同じスポーツサスでも差は歴然。素直な走りを見せたGT

ゴルフⅤ導入時の最上級モデル・GT。FSIエンジンはGLiと共通ながら、スポーツサスで20mmローダウンさせている。フォグランプやカラードドアハンドルなどで上級志向に仕立てる。29.4万円高でレザーパッケージ仕様も用意。当時は販売の50%を占めた人気グレード。前後荷重は870/510kg。
となると、次に落ちそうなのは同じアシを持つGT? という話になるが、これが不思議なもので、GTとGTXは同じスポーツサスでありながらその感触は著しく異なっている。
GTXの225/45R17に対して205/55R16というタイヤサイズの違いもあるだろうが、GTの運転感覚が歴然とナチュラルなのは、重量とトランスミッションの違いによるところが大きいのだろう。車検証をみると、GTXのGT比90kg増の大部分は、やはり前軸側に寄っていた。DSGは構造上トルコンAT比で重量上のメリットもあるはずだが、今のところその恩恵は大きく現れてはいない。
ここでわかるのは、ターボモデルがターボ分だけ正直にハナが重くなるということと、アイシンAW製の6速ATが相当軽量に仕上がっているということだ。

GTの150ps & 20.4kgmのFSIエンジンは必要にして十分なスペック。燃費の良さもポイント高し。
GTIは一般路から山道まで、リーズナブルにスポーティなドライビングを楽しめる若々しいゴルフだ。
パワーに不足はまったくなく、市街地ではもちろん、つづらおりを駆ける際の6速ATとの相性も悪くない。GTXで指摘したタイトターンの立ち上がりでパワーを掛けていくような場面でも、トルコンの甘さがいい方に作用して、前輪の逃げに対して一瞬の「待ち」を用意してくれる。
要は使いようというヤツで、何がなんでもDSGということではないもんだなあということを思い知らされた。(続きはムックにて・・・)









