「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、トヨタ クラウン(14代目)だ。

ハイブリッドはクラウンの新しい新機軸を開いた

画像: 重量的にはV6 3.5Lモデルに比べて30kgほど重い。それでもアスリートGならダイナミックなコーナリングが楽しめる。

重量的にはV6 3.5Lモデルに比べて30kgほど重い。それでもアスリートGならダイナミックなコーナリングが楽しめる。

気になるサウンドは、たしかにV6とは明らかに質が違って直4であることはわかるのだが、安っぽくてクラウンにふさわしくないなどとは感じなかった。振動と騒音の絶対量は従来型のV6ハイブリッドよりも低くなっている上、CVTの進化で加速時の音にもリニア感や自然さがあるから心地良い。

強く加速しているとき以外の一般的な走行ではトヨタTHS II特有の静けさが武器になる。他のハイブリッドに比べてモーターの出番が多く、エンジン稼働率が低く抑えられるので快適。全グレードの中でも、静粛性はトップにあると言っていいだろう。

唯一のウイークポイントは、ハイギアードのまま超低回転でエンジンが頑張っているような緩い加速のときに、わずかな振動とこもったような音が感知されることがある。もっともそれは、とりたてて騒ぐほどに不快ではなく、遭遇する頻度もそう多くはないので、ネガとして捉えられることはあまりないだろう。

いずれにしても、新型クラウンのハイブリッドは、時代にふさわしい望外な燃費性能とクラウンの名に恥じない質感やパフォーマンスを、見事に両立していることは間違いない。このハイブリッドこそ、現代(編集部註:2013年)のクラウンでは中心的存在になるだろう。

画像: 精悍なブラック基調でまとめられたアスリートのインパネまわり。先代よりも質感・スポーティ感とも格段に向上した。

精悍なブラック基調でまとめられたアスリートのインパネまわり。先代よりも質感・スポーティ感とも格段に向上した。

トヨタ クラウン ハイブリッド アスリートG 主要諸元

●全長×全幅×全高:4895×1800×1450mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1680kg
●エンジン:直4 DOHC+モーター
●総排気量:2493cc
●エンジン最高出力:131kW(178ps)/6500rpm
●エンジン最大トルク:221Nm(22.5kgm)/4200-4800rpm
●モーター最高出力:105kW(143ps)
●モーター最大トルク:300Nm(30.6kgm)
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:レギュラー・65L
●JC08モード燃費:23.2km/L
●タイヤサイズ:215/55R17
●当時の車両価格(税込):543万円

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