注目の新機構がふたつ
BEVシステム全面刷新、モーター高出力化や航続距離の伸長、プラットフォーム改良による走りの基本性能の磨き上げと改良の内容は多岐にわたる。FWDの350eは航続距離を733kmに伸ばし、充電性能も上げて実用性を向上。一方550eはシステム出力300kWにステアバイワイヤやIMD搭載で走りの愉しさを引き上げた。
まず今回の改良について説明しよう。新型RZはBEV専用プラットフォームの改良や、4WDシステム「ダイレクト4」の特性を見直し、走りのコンセプトである「The Natural」をさらに磨き上げた。それによりRZならではの自然で気持ちの良い走りの味「レクサス ドライビング シグネチャー（Lexus Driving Signature）」をより深化させている。
見逃せないのは、BEVシステムの全面刷新によって全グレードで高出力化しただけでなく、航続距離の伸長、充電所要時間の短縮を実現。具体的にはFWDモデルのRZ350e バージョンL（総電力74.69kWh）で、733kmというこれまでにない長い航続距離を実現している。
さらに注目なのは、新たに追加されたRZ550e Fスポーツに採用されるふたつの新機構。それがレクサスとして初採用となる「ステアバイワイヤシステム」と「インタラクティブマニュアルドライブ（Interactive Manual Drive）」だ。
前者はドライバーの操作が電気信号としてワイヤを介して前輪を操舵するモーターへと送られる仕組み。従来のように、ステアリングホイールとステアリングラックが物理的に結合しておらず、低速時にはクイックで高速時にはスローというように、電子制御でステアリングギア比を自在に変えることができるのが特徴である。後者はBEVながら8段の仮想ギアやサウンド演出でエンジン車のようなドライビングフィールを楽しめる仕組みだ。
