2025年、日本導入50周年を迎えたフォルクスワーゲン ゴルフ。Motor Magazine誌では、この記念すべき節目の年にゴルフ各モデルの実力を多角的に検証するマンスリーレポート企画をスタート。その第5弾は、ハッチバックの「GTI」から「eTSI Rライン」にバトンタッチ。(Motor Magazine 2025年10月号を再構成 撮影:永元秀和)
日本の道路事情でもちょいどいいゴルフ

ファブリック&マイクロフリース素材の専用シート。ヘッドレスト一体型のバケットタイプで大柄体型でもしっかりと収まってホールド。これが走りの良さにも直結する。
なので、乗り比べていくと、それぞれの良さが見えてくるわけで。どのモデルにも共通するのはやはりボディサイズによる「扱いやすさ」だ。とくに都内のクルマ移動では立体駐車場や機械式駐車場、パーキングメーターを使う機会が多くなるが、全幅1800mm未満、全高1500mm未満に抑えられたボディなら余裕を持って収まる。大柄なSUVが増え、隣に停められるとドアの開閉に苦労する場面も少なくないが、ゴルフなら安心感がある。こうした日常での使いやすさは、オーナーにとって何よりの価値となるだろう。
もちろん、昨今の市場はいまだSUV人気が主流である。フォルクスワーゲン自身もTロックやTクロスといったモデルを揃えている。しかし、屋根の低さ、すなわち低い重心がもたらす走りの良さは、SUVやミニバンでは得られないものだ。長い時間を共にすることで、あらためて「暮らしに必要なものはゴルフのハッチバックやヴァリアントで十分」だと感じることができた。
50年の歴史を重ねてきたゴルフ。その魅力は、日常での扱いやすさと走りの楽しさを絶妙なバランスで両立していることにある。トレンドに流されるのではなく、自らの強みを磨き続けてきたからこそ、いまなお世界のスタンダードとして輝き続けているのだ。
【ゴルフ日本導入50周年記念】ゴルフ eTSI Rライン マンスリーレポート
試乗期間:2025年6月30日〜8月1日
走行距離:1748km
平均燃費:16.2km/L
