低速から力強いTDIがもたらす「余裕あるドライバビリティ」

宮崎の海沿いのドライブは景色もよく、いつまでも走っていられる……のは、絶景のロケーションはもちろん、TDIのドライバビリティの良さも大きい。アクセルペダルコントロールが少なく、スルスルと走るので楽ちん。
TDIの美点を端的に表すなら、低速域から力強く、速度コントロールが容易なことだろう。結果として各操作にも余裕が生まれ、ドライバーはもちろん同乗者も疲れにくい。
それは高速道路を80~100km/hで巡航している場面でも同様で、前走車を追い越す際も、軽くアクセルペダルに足を乗せるだけでギアを落とすことなく、スムーズに加速していく。
アップダウンの激しいワインディングロードでも印象は変わらない。上り坂で強く踏み込む必要はなく、2000~3000rpmもあれば余裕をもって登っていく。
ガソリンエンジン車との大きな違いは全開加速時で、高回転に向かって伸びていくeTSIユニットに対し、TDIは3000~4000rpm付近でパワーの盛り上がりを感じさせる。
静粛性についても、エンジンルーム付近ではディーゼル特有の音が聞こえるものの、車内への侵入は最小限に抑えられている。そのため、多くのユーザーにとってディーゼルエンジンのネガティブな印象はほとんど感じられないはずだ。
電動化時代だからこそ、改めて見えてきたTDIの価値
距離を走るユーザーにとっては、燃料単価の安さや優れた燃費性能による経済性も大きな魅力となる。今回、半日で約200kmを走行した結果、平均燃費は18.2km/Lを記録した。撮影のための移動や寄り道も含めての数値だけに、かなり優秀といえるだろう。
フォルクスワーゲンのTDIは、Tロック、ゴルフシリーズ、パサート、ティグアンに設定されている。ガソリンのTSIモデルに比べて車両価格は高く、走りの軽快さという点ではeTSIにも大きな魅力があるため、購入時に悩むユーザーは多いはずだ。
それでも、ロングドライブが多い、あるいはゆったりと余裕をもって走りたいという使い方であれば、TDIはベストな選択肢になり得る。電動化が進むいまだからこそ、あらためてその価値を実感させてくれる試乗会だった。

こちらは旅の折り返し地点・宮崎県串間市の都井岬と、ここに生息する日本在来馬の一種で御崎馬。1953年に国の天然記念物にも指定されており、道路を普通に歩いているからこのように至近距離で見ることも。
