大きな変化を求めたBMW。守り磨いたフォルクスワーゲン
デザインに関していえば、BMWとフォルクスワーゲンのアプローチは好対照を成している。
X3のスタイリングは前衛的でアグレッシブ。率直にいって、フロントマスクの造形は、伝統的な自動車デザインの価値観から外れているようにさえ思える。それでもあえて、キドニーグリルをアンバランスなほど大きくしたり、ヘッドライトのエッジを極端なまでにシャープにしたのは、見る者に「新しさ」を伝えたかったからだろう。
これに比べればインテリアデザインはすっきりとしていてシンプル。全体的なまとまりもいいが、ここでも巨大なカーブドディスプレイを配したり、アンビエントライトを派手に使って目新しさを演出している。したがって、「これまでにない新しさ」の演出が新型X3のテーマになっているといって間違いなさそうだ。

BMW X3 20d xDrive Mスポーツ。新しいデザインを採用したキドニーグリルは、上部2/3ほどがパネルで塞がれている。
一方のティグアンからも先進性は感じ取れるけれど、その価値観はあくまでも既存の感性の範囲に留まっているように見える。つまり、伝統的なクルマの美しさを基本としたうえで、それを徹底的に磨き上げ、洗練させることで、これまでとは異なる新しいティグアンのスタイリングを作り上げたのである。それゆえに、こちらのほうが多くの自動車ファンから賛同が得られるのではないだろうか。
それにしてもティグアンの質感向上は目覚ましい。ボディパネル全般の面仕上げ精度が格段に向上したこともそうだが、まるでプレミアムカー並みの深い抑揚を与えることで、筋肉質な力強さと彫刻的な美しさの両方を手に入れている。

フォルクスワーゲン ティグアン eTSI Rライン。Rラインには「R」ロゴが左側ヘッドライトの横に入るほか、アンダーグリルはメッシュ(他グレードは横桟)タイプとなる。
既存の価値観に留まりつつも、上質さと優れたデザイン性を実現しているのはインテリアも同様。とりわけ機能性の向上という面で指摘しておきたいのが、ダッシュボード上に設けられた最大15インチの大型ディスプレイ。しかも、インフォテイメント系が新世代のMIB4に進化したことで操作系が一新された点も見逃せない。



