アウディのベストセラーモデルA4シリーズを引き継ぐ、新しいモデルシリーズとしてA5が誕生した。セダンとステーション(アバント)の2タイプを用意し、新時代のアウディらしい内外装デザインを実現。TFSIの150kW仕様「アウディ A5 アバント TFSI クワトロ 150kW Sライン」は、軽快感もありつつ、コーナーリングではクワトロならではの安心感を見せた。(Motor Magazine 2025年5月号より/文:大谷達也、写真:平野 陽)

フォーリングスらしいていねいな作り込みが随所に息づく

新型A5がついに日本上陸を果たした。アウディがエンジン搭載車のフルモデルチェンジを行うのは、2021年に国内導入されたA3以来、実に4年振りのこと。アウディファンにとっては「待望のニューモデル」といって間違いないだろう。

そんなお祝い気分に水を差すのも気が引けるが、アウディの「モデル名文法」にある種の混乱があったことは否めない事実だ。

かつてアウディには「セダンは偶数、クーペ系には奇数」のモデル名を与えるという「厳格な文法」が存在した。それを「偶数はBEV、奇数はエンジン車ないしハイブリッド車」と改めたのは2024年のこと。新型A5は、この文法を採用した初の新型車として2024年7月に発表された。

ところが、2025年2月にアウディは今後「パワートレーンの種類に依存しない、サイズと車格による差別化」を図ると宣言した。つまり、旧来に近い方法に戻すことにしたのだ。続く3月には、この新文法を採り入れた初のモデル「A6 アバント」をワールドプレミア。先の宣言どおり、エンジン車/ハイブリッド車に「偶数モデル名」が与えられたのである。

画像: アウディの新型共通のシャープなマトリクスLEDヘッドライトが印象的。リアはOLEDを採用し8つの点灯パターンを備える。

アウディの新型共通のシャープなマトリクスLEDヘッドライトが印象的。リアはOLEDを採用し8つの点灯パターンを備える。

こうした混乱は、長期的な視野に立って製品戦略を立て、ひとつの技術を長い歳月かけて熟成することを常としてきたアウディらしからぬものだが、モデル名の文法を見直したのはアウディだけではない。メルセデス・ベンツはBEVブランドのEQを段階的に廃止するほか、BMWはこれまでエンジン車を示してきた「i」の文字をBEVに用いると発表している。

各社の事情はさまざまで一概にはいえないが、それくらい昨今の自動車産業界が激動の時代を迎えていることは間違いなさそうだ。

A5はセダンとアバントともに3種類のパワートレーンを用意

前置きがやや長くなったが、ここから日本仕様の新型A5についてご紹介することにしよう。

日本に導入されるエンジンは、TFSIと呼ばれるガソリン、それにTDIという名のディーゼルの2種(排気量はどちらも2L)。駆動系は前輪駆動とクワトロ=4輪駆動が用意されるが、前輪駆動が選べるのはTFSIの150ps/280Nm仕様のみ。同じTFSIでも204ps/340Nmを生み出す高出力版とTDI(204ps/400Nm)はクワトロとのみ組み合わされる。

画像: A5には出力が異なる2種類の2L直4ターボを用意。試乗車は204psの高出力仕様でクワトロと組み合わされる。他に2LディーゼルMHEVのTDIも設定。

A5には出力が異なる2種類の2L直4ターボを用意。試乗車は204psの高出力仕様でクワトロと組み合わされる。他に2LディーゼルMHEVのTDIも設定。

もうひとつパワートレーン系で注目されるのは、MHEVプラスと呼ばれる48V系マイルドハイブリッドがTDIに搭載されたこと。ただし、TFSIには出力の高低を問わずMHEVプラスは組み合わされない。これは、アウディがTDIを上級モデルと見なしている確かな証拠といえる。

なお、3種類のドライブトレーンすべてにセダンとアバント(ワゴン)が用意される点はアウディの従来モデルと変わらない。

このうち、今回はA5アバントTFSIクワトロ Sラインに試乗した。車両価格は706万円。

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