モーターマガジン社が2026年2月17日に発行したムック本「GTメモリーズ15 PF60/JT150・190 ジェミニZZ/ジェミニイルムシャー」が好評だ。ここでは、そのダイジェストをお届けしよう。今回は、歴代ジェミニのシャシとパワートレーンについて紹介する。FR時代のダブルウイッシュボーンとクロスレシオMT、FF時代の名門チューナーによるサスペンションの味付けなど、モデルライフを通しての革新性が目立つものとなっている。

ジェミニZZ ハンドリング バイ ロータス:英国ロータスによる上品な走り

画像: 名門中の名門「ロータス」がサスペンションチューニングをした「ハンドリング バイ ロータス」。ハードよりも洗練を優先させたものとなった。

名門中の名門「ロータス」がサスペンションチューニングをした「ハンドリング バイ ロータス」。ハードよりも洗練を優先させたものとなった。

1988年に登場したジェミニZZハンドリング バイ ロータス。ロータスという英国のスポーツカー、レーシングカーメーカーがその「足」を手掛けたということで大きな話題となった。ロータスはいすゞ自動車の要求に沿って、徹底的にテストを行った上で「ハンドリング バイ ロータス」の名を冠した。

サスペンション形式はイルムシャーを含めたFFジェミニと共通のフロント:ストラット、リア:コンパウンドクランクを引き継ぐ。このサスペンション形式をベースに、ド・カルボンタイプリヤショックアブソーバーの採用等、ロータス社のチューニングにより、しなやかな乗り心地と高い操安性を実現した。

ロータス社がまず手を入れたのは、ショックアブソーバーだった。このパーツはスプリングの不快な振動を吸収するだけでなく、コーナリング時のロールスピードを決めるという重要な役割を持つ。ロータスは、フロントには低圧ガス封入/リアに高圧ガス封入式ショックアブソーバーを採用した。ショックアブソーバーのガス室に封入した熱膨張率の小さなガスの働きがポイントで、激しくピストンがストロークしても、常に安定した減衰力を発揮することができる。

画像: サスペンションパーツ一式。下方にあるのがメインサスペンションアーム。一本の梁で構成されているいわゆるツイストビームになっている。

サスペンションパーツ一式。下方にあるのがメインサスペンションアーム。一本の梁で構成されているいわゆるツイストビームになっている。

特にリアは大容量でありつつ、ピストンを通してのオイルの流動を促す単筒式(ド・カルボンタイプ)ショックアブソーバーや、フルバンプした時の底づきを防ぐ発泡ウレタン製ヘルパースプリング(バンプラバー)の働きとともに、常に最適の減衰力と衝撃吸収性を発揮。ロールスピードを絶妙にコントロールするものだ。

ジオメトリーを見ていくと、フロントサスペンションのキャスター角は2度15と大きく設定した。これにより直進安定性が向上し、特に高速クルージング時に圧倒的な直進性を実現していた。またキャスター角を大きく取ることは、転舵初期にアウト側タイヤがネガティブキャンバー方向に向くために機敏なハンドリングをもたらす効果がある。

イルムシャーはモータースポーツベース車として使ったり、峠を攻めるような激しい走行を前提にした走行特性だったのに対し、ハンドリング バイ ロータスは普段から上品に乗っていてもいざとなったら・・・というような実力を秘めていたと言えるだろう。ファミリー層からスポーティカー好きな若者層まで幅広い人に受け入れられるような操縦性、そして乗り心地を持ったクルマといえる。

JT190ジェミニ ハンドリング バイ ロータス シャシ 主要諸元

●ステアリング形式:ラック&ピニオン式
●サスペンション形式(前):ストラット式
●サスペンション形式(後):コンパウンドクランク式
●ブレーキ(前):ベンチレーテッドディスク式
●ブレーキ(後):LT式ドラム
●タイヤサイズ:185/60R14 82H

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