BMWにとってアルピナは特別な存在であり、逆もまた然りだろう。そんな相互関係がいま、形を変えようとしている。BMWグループの1ブランドになることが決まったアルピナ、そんな今を飾るラストであり新たなモデルがB3 GTである。ドイツ・ブッフローエ工場から送り出される最後の逸品は、どんな世界を我々に見せてくれるのだろうか。(Motor Magazine2025年6月号より/文:大谷達也、写真:永元秀和)

これほど快適でスポーティセダンはほかにはないと思う

ワインディングロードで、B3 GTはさらに強い輝きを放ってみせた。前述した高速道路のランプと同様で、どんなコーナーも一発のハンドル操作で、まったく修正する必要なくクリアしていけるのだ。しかも、そのときのドライブフィーリングは極めてビビッドで、自分が良質なメカニズムを操っているという喜びをひしひしと感じさせてくれる。それは、最近のBMW Mが人工的というか、どこか電子制御の影が見え隠れしてしまうのとは対照的。おかげで、クルマに全幅の信頼を置いてスポーツドライビングに打ち込めた。これほど不安を感じずにスポーツセダンを操ったのは、本当に久しぶりのことだと思う。

画像: これまでB4専用品だった剛性パーツ「ドーム・バルクヘッド・レインフォースメント・ストラット」が装着される。機能性だけでなく見た目の特別感も演出される。

これまでB4専用品だった剛性パーツ「ドーム・バルクヘッド・レインフォースメント・ストラット」が装着される。機能性だけでなく見た目の特別感も演出される。

四輪駆動の制御にも驚かされた。基本的にはコーナリング時にも高いスタビリティを発揮してくれるB3 GTなのだが、徐々にペースを上げていくと、あるところからフワッとリアが回り込んでくれるような、後輪駆動的な挙動を示したのだ。だからといってクルマの姿勢が不安定になることは一切ないのだけれど、長年の「後輪駆動乗り」にはこれもたまらない魅力であろう。

私は冒頭で乗り心地に異を唱えたけれど、高速道路からワインディングロードまで走ってみれば、B3 GTの総合力には圧倒されるばかりだった。そして、こう思う。これほど上質なレスポンスとリニアリティを、こんなにも快適な乗り心地で実現したスポーツセダンはほかにない、と・・・。それは、若い頃にさんざんスポーツ走行を経験したオトナにこそ相応しいモデルといえる。

B3 GT。それはボーフェンジーペン・ファミリーが辿り着いた、究極のアルピナである。

BMW アルピナ B3 GT 主要諸元

●全長×全幅×全高:4725×1827×1440mm
●ホイールベース:2851mm
●車両重量:1875kg
●エンジン:直6 DOHCツインターボ
●総排気量:2993cc
●最高出力:389kW(529ps)/6250-6500rpm
●最大トルク:730Nm/2500-4500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・59L
●WLTPモード燃費:9.52km/L
●タイヤサイズ:前255/35R20、後265/30R20

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