2011年秋に開催されたフランクフルト・モーターショーで、初代アウディRS 5のフェイスリフトが発表された。基本設計はそのままに着実な進化を遂げたことをアピールするように、その国際試乗会は厳しい環境のスウェーデンのウインターリゾート地オスターサンド近郊にある凍結湖をベースに行われた。ここでアウディRS 5はどんな走りを見せたのか、その時の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2012年4月号より)

凍結湖の滑りやすい路面でも安定した挙動を見せた

試乗会はスウェーデンのウインターリゾート地オスターサンド近郊にある凍結湖を中心に行われた。マイナス1度と異例な暖かさの中での開催となったが、そこで待ち受けていたRS5は鮮やかなミサノレッドのボディを纏っていた。

さっそくスタートボタンを軽くプッシュすると、後方の楕円形マフラーカッターから低いエキゾーストサウンドが響き、安定したアイドリングが始まる。グレードアップされた室内を見回しながら、SトロニックのセレクトレバーをDにセットしてスタート。念のためにESPスイッチはONのままである。乗り込む時に滑りそうになるほどミューの低い凍結コース路だが、RS5はまるで普通の道路のように確実に路面を捉えながら加速を始める。

まずは凍結湖を1周するコースを様子を見ながらドライブする。周回路にはいくつかのゆるやかなコーナーがあるが、スピードを上げてもほとんどニュートラルでクリアしてしまう。そして、ちょっときつめのコーナーではとても素直な後輪駆動のようなリアの滑り出しを見せる。そこでアクセルペダルを踏み込むと、一瞬リアがむずがゆって滑り出す気配を見せるが、ゆっくりとパワーが絞り込まれ挙動は安定する。少しも唐突な動きは起こらず、これならば安心して雪上ドライブを楽しむことができるはずだ。 

続いて、ESPを完全にオフにして同じコースをトライする。バランスのとれたシャシはちょっとスピードを上げたくらいでは何事も起こらない。徐々にスピードを上げて行くと、コースの状況に応じてトルクが前後アクスルへ振り分けられ、安定した挙動でコースを1周することができた。

画像: インテリアは基本的に先代モデルを継承しているが、カーボンやアルミ、レザーなどの仕上げはさらに高められている。

インテリアは基本的に先代モデルを継承しているが、カーボンやアルミ、レザーなどの仕上げはさらに高められている。

湖畔のハンドリングコースへ向かう。ここでESPオフのままスピードをさらに上げてのトライアルである。クラウンギアを使ったセンターデフのトラクションとはどういうものなのか、これを機会に試してみたかったのだ。メカニカルなギアによる接続はひょっとすると唐突な変化を感じさせるのではないかと心配したわけだ。

ところが実際に起こったことはまったくポジティブで、ドライバーが気がつかないうちに、どこにトルクが必要かを瞬時に判断し、ほぼ同時にトルク配分が行われ、まったくスムーズに姿勢の変化が行われてしまった。さすがアウディは四輪駆動のスペシャリストだ。しかもその名声に溺れることなく4WDシステムの改良に励んでいたわけである。

このフェイスリフト版のアウディRS5は、6月にはヨーロッパで発売が開始される。価格は7万8200ユーロと発表されている。(文:木村好宏)

アウディ RS 5 主要諸元

●全長×全幅×全高:4649×1860×1366mm
●ホイールベース:2751mm 
●車両重量:1715kg
●エンジン:V8DOHC
●排気量:4163cc
●最高出力:331kW(450ps)/8250rpm 
●最大トルク:430Nm(43.9kgm)/4000-6000rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:4WD
●0→100km/h加速:4.5秒
●最高速:250km/h(リミッター)
※EU準拠

This article is a sponsored article by
''.