「2030年までの交通事故死亡者ゼロ」実現への道筋
NASVAは国土交通省が設立に関わる独立行政法人で、正式名称を「独立行政法人 自動車事故対策機構」という。自動車の安全性能を評価するアセスメント、NCAPの日本版である「JNCAP」の実務を担う存在であり、その名のとおり自動車事故に関する「事故防止」と「被害者支援」を中心に活動している公的機関だ。
そのNASVAが実施している自動車アセスメント(衝突安全試験など、「どのクルマがどれだけ安全か」を中立的に評価・公表する活動)において、現行フォレスター(評価実施車両は「Premium S:HEV EX」グレード)が満点に近い高得点を叩き出し、最高評価である「ファイブスター大賞」の栄冠に輝いた。

JNCAP・2025年度ファイブスター大賞を受賞したSUBARUフォレスター。
表彰式の壇上には、フォレスターの開発を統括した商品革新本部・プロジェクトゼネラルマネージャーの藤居拓也氏が登壇し、NASVAの理事長 中村晃一郎氏から受賞の証を受け取った。

2月28日に行われた授賞式に登壇した、フォレスターの開発を統括した商品革新本部・プロジェクトゼネラルマネージャーの藤居拓也氏(中央)。
これを機に、SUBARUが実直に推し進めている「2030年までの交通事故死亡者ゼロ」を実現させるための取り組みを紐解いてみたい。
【未然に防ぐ】中島飛行機から受け継ぐ「アクティブセーフティ」
まずは事故を起こさない取り組みだ。これは「アクティブセーフティ(予防安全)」と呼ばれる分野で、事故を未然に防ぐことを指す。具体的には、航空機メーカーである「中島飛行機」時代から受け継がれている「優れた視界の確保」と「運転操作への素直な挙動の実現」、そしていまやSUBARUの伝家の宝刀となっている「アイサイト」による事故防止システムが挙げられる。
0次安全と呼ばれる事故予防のための重要な要素、視界の確保については、ボディ剛性の維持やスタイリングデザインとの緻密なバランスの上で、何よりも「安全」を最優先に設計されている。よく話題にのぼるAピラー(フロントガラス両脇の柱)による斜め前方の視認性問題をはじめ、ボンネットフード越しの見下ろし角や斜め後方の死角の最小化など、その工夫は多岐にわたる。
走行安全にあたる動的性能や危険回避性能を実現する、素直なハンドリングや車体の挙動は、すでにSUBARUのお家芸と言っていい分野だ。いざという瞬間のとっさの回避操作に対して、車両がどれだけドライバーの意図どおりに反応するかは、事故を未然に回避するために極めて重要な要素となる。これは走りのスポーツ性を追い求めることと共通する部分が多く、SUBARU車の基本性能の高さの証明でもある。
そしてその危険回避を支援する「アイサイト」に関しては、1999年から独自にステレオカメラの研究開発を続け、先進運転支援システムとして今や業界をリードしていると言ってもいいだろう。現行型では、システムの中核をなすステレオカメラに加え、新たに「広角単眼カメラ」を装備。これにより、従来はカバーが難しかった低速域での左右からの歩行者や自転車の飛び出しなどに対して、対応領域を大幅に広げている。

新たに超広角単眼カメラを追加して死角を減らした最新世代アイサイト。



