2026年にBEVとして復活した新型ホンダ・インサイトに試乗。204ps/310Nmを発生するモーターによる滑らかな加速や、周波数応答型ダンパーによる上質な乗り心地、高度な静粛性技術など、ホンダが目指した「心地よい移動空間」を体感することができた。(写真:平野 陽)

心地よさを追求したBEVらしい走り

アクセルペダルの踏み始めのトルクの立ち上がりを少し様子見しながら慎重に発進を試みるが、その心配は杞憂で、なかなかマイルドな反応で駆動が伝わり、スッと車体が動き出す。そこからグッと踏み込んでみても、最大トルク310Nmを発生させるモーターはしっかり調教されていて、荒々しい気配はまだ見せない。とはいえ速度コントロールに鈍いと感じることはなく、アクセルペダルによる加速の求めに対して、柔らかく応えてくれる感覚だ。

ドライブモードがNORMALのときでも、アクセルペダルをさらに踏み込めばBEVらしいリニアな加速をしてくれるが、SPORTモードに切り替えると、踏み込みからのタメが少なく反応してくれるので、ワインディングロードを軽快に走りたいようなときはだんぜん気持ち良いだろう。ここで、事前説明でもうひとつ気になっていたポイントの「減速セレクター」を試してみる。

これは、アクセルペダルを離したときの減速具合を変更できるというもので、ハンドルに備えられたパドルシフトの操作で3段階に切り替えができる。

画像: 現代のBEVらしく滑らかな走りが印象的。急な動作に対してもじんわりと反応するので運転していて疲れない。

現代のBEVらしく滑らかな走りが印象的。急な動作に対してもじんわりと反応するので運転していて疲れない。

もっとも弱い目盛り1での走行ではICE車の空走感に近く、減速はブレーキに任せる印象。2目盛り目に切り替えると、やや減速の抵抗感が感じられるようになる。ゆっくり走っているときの微妙な車間距離の調整くらいなら、ブレーキを使わずに済みそうだ。最も強い3目盛り目にするとさらに強い減速の抵抗を感じる。それでもICE車のエンジンブレーキと同程度か、やや弱いくらいに感じられた。大きな減速を必要としない高速道路の巡航などは、このモードでこと足りるかもしれない。

同じホンダの、N-ONE e:に採用されている「シングルペダルコントロール」いわゆるワンペダルは減速から停止保持までをアクセルペダルのみでおこなえるが、慣れないと加減速の連続でぎこちない動きになる場面もある。このインサイトは、心地良さに焦点を絞って仕立てられているということもあり、あえてそういうセッティングにはしていないようだ。

画像: 個性的なスタリングは街中でも注目の的。Super-ONEでも採用されているHondaの横文字ロゴも新鮮だ。

個性的なスタリングは街中でも注目の的。Super-ONEでも採用されているHondaの横文字ロゴも新鮮だ。

乗り心地に関しても、BEVらしくフラットライド方向の現代的な味付けが施されていて、街中ではほとんどロールを感じさせず、それでいて路面からの微振動はしっかり吸収している印象だ。これは新たに採用された「周波数応答型ダンパー」によるところも大きいと思われる。

また、ドライブモードをSPORTにした際には「アクティブサウンドコントロール」が作動。速度とアクセルペダルの踏み込み具合を検知し、車両の状態に見合った「加速音」がスピーカーから発せられる。音量も、これみよがしのあからさまなものではなく、ちょっと控えめかな? と感じるレベルに抑えられているので、同乗者がいても眉をしかめることはないだろうと思われる。

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