静粛性と快適性に込められたホンダの技術
そして、走行中の静粛性向上の工夫にも注目したい。
まずはノイズや振動の発生を根本から防ぐため、ボディの高剛性化を図っている。加えて、タイヤが段差を乗り越えるときにタイヤ内で共鳴して伝わる不快な振動を軽減させるため、それに近い周波数の共鳴を発する「レゾネーター」を装備した「ノイズリデューシングホイール」を採用している。

周波数応答型ダンパーと225/50R18という大径タイヤの組み合わせでしなやかな乗り味を実現。
そして、それらで防ぎきれない周波数のノイズや振動に対しては「アクティブノイズコントロール」で対応。これは、走行に伴うロードノイズや風切り音、モーターなど動力源からのノイズや振動に対して、逆位相の音をスピーカーから発して打ち消すシステム。イヤホンやヘッドホンに使われているノイズキャンセリングの自動車版と言っていいだろう。
インサイトはこれらの工夫によって、静粛性の高いBEVにふさわしい移動空間を作り上げている。その空間があればこそ、「BOSEプレミアムサウンドシステム(12スピーカー)」によるリッチなサウンドがしっかり堪能できるというものだろう。

シックなインテリアはアンビエントライトとの組み合わせで上質な印象。BOSEプレミアムライブサウンドシステム(12スピーカー)を標準装備する。
この上質な移動空間なら、家族で長距離のレジャーも楽しいに違いないと考える人もいるはずだ。一充電走行距離(WLTC)は535kmと、このクラスの水準を満たす性能が与えられているので、ちょっとしたロングツーリングは充分こなせるだろう。
また、その大容量バッテリーに対する安全への配慮も抜かりはない。縁石や路面の凹凸でバッテリーが万が一にも損傷を受けないよう、ヒットする可能性が高い両サイドと後部にプロテクターを装備するなど、対策が講じられているそうだ。

フロア下のバッテリーを保護するためにフロント、リア、サイド側にバッテリーパックブラケットを設置する。
さて2026年の2月に受注が開始されたこの新型「インサイト」。当初の予定では「0シリーズ」につながる布石としての役割を担っていたが、その後に発表された「0シリーズ」の計画中止を受けてラインナップの再編成を余儀なくされることとなった。
しかし依然としてこの「インサイト」が今後のホンダの中での重要なポジションにあることには変わりなく、当初の計画どおり3000台の販売は継続されるという。5月末の時点での販売目標は達成されているとのことで、売れ行きが好調なのは明るいニュースと言えるだろう。(写真:平野 陽)
ホンダ インサイト主要諸元
●全長×全幅×全高:4785×1840×1570mm
●ホイールベース:2735mm
●車両重量:1770kg
●パワーユニット:モーター
●最高出力:150kW(204ps)/4621-4900rpm
●最大トルク:310Nm(31.6kgm)/90-4621rpm
●駆動方式:FWD
●WLTCモード航続距離:535km
●タイヤサイズ:225/50R18
●車両価格(税込):550万円



