PHEVのメリットを存分に味わってみた
プラグインハイブリツド(PHEV)を長期テスト車に導入するのは、このXC90 T8 ツインエンジン AWD インスクリプションが初めてとなるためいろいろと試しながら使っている。
たとえばどのドライブモードだとEV走行距離が一番長いのか、それは他のモードとどのぐらい違うのか、満充電までの所要時間はどのくらいなのか、充電中にスタートスイッチを回すとどうなるのか、などなどである。こうした疑問を少しずつ解きながら日々運転しているのだが、いくつかわかったことがあるのでここで報告したい。
まず満充電までの時間は、充電ケーブルを挿すとメーター内に表示されるのだが、そのときは「充電完了まであと何分」ではなく、「充電完了時間:何時何分」と表示される。また満充電までの所要時間は約2時間30分であることもわかった。
そしてそれぞれのドライブモードでの満充電時のEV走行距離だが、AWD(四輪駆動)が35km、Pure(ECO運転)が40km、Hybrid(日常の運転)が35km、Power(スポーティな運転)が34km、OffRoad(未舗装路)が34km、Individual(運転嗜好)が34kmと表示される。
つまり、〝Pure 〞にした時が一番距離が長く表示されるのだが、〝Hybrid〞との差は5kmぐらいしかない。ただし、これはあくまで満充電時に表示されるもので、実際にEV走行できる距離では5km以上の差が出るように感じている。
ここで、「でも〝Pure〞だと走りに不満を感じるのでは」、「XC90の気持ちいい走りがスポイルされてしまうのではないか」と思う人もいるかもしれない。しかしそれも気にしなくていいだろう。
高速道路やワインディングを元気よく走るなら話は別だが、一般道をまわりの流れに乗って走るなら〝Pure 〞で十分である。いや、〝Pure 〞が最適、と言ってもいいだろう。そういうわけで、運転するたびにわざわざ設定するのではなく、日頃から〝Pure 〞で走りたいので、XC90を始動したときに「デフォルトで〝Pure 〞にできればいいのに」と前回、ここで書いた。
実はこれ、勉強不足だったようで、XC90はかなり細かい設定ができ、始動時から〝Pure 〞にすることができるようである。どうやって設定するかという報告はまたの機会にしたいが、やはりPHEVとしてのメリットを存分に味わうため、頻繁に充電するようにしたい。(文:千葉知充・Motor Magazine編集部/写真:永元秀和)