懐かしのトヨタWRCマシン グラフィティ。今回は、セリカに代わって登場したカローラ WRカーのプロトタイプだ。
欧州カローラをベースにした「WRカー」
トヨタが欠場している間に、WRCはグループAからWRカーヘと移行した。
「4WDターボ車を市販する」という重い足かせがなくなった各自動車メーカーは、自由なラリーカーづくりが可能になった。
WRC復帰に当たり、トヨタが選んだベース車は欧州カローラの3ドアハッチバックだった。
これにセリカ譲りの3S-GTエンジンと4WDシステムが押し込まれ、コンパクトなWRカーが成立した。
1997年のテスト参戦デビューを経て、98年から本格参戦。
カルロス・サインツが最終戦までドライバーズ選手権を争うなどの活躍を見せ、2年目の99年にはサインツ、オリオールが着実にポイントを積み重ねてトヨタに3度目のタイトルをもたらしている。
しかし、トヨタはF1への参戦を決定し、この年限りで27年間のラリー活動にいったん終止符を打つことになる。
(解説:平松秀樹)
カローラ WRカー(プロトタイプ) 主要諸元
全長×全幅×全高:4100×1770×1365mm
ホイールベース:2465mm
車重:1230kg
エンジン型式・種類:3S-GT改・水冷直列4気筒DOHC+ターボチャージャー
排気量:1988cc
最高出力:299ps(220kW)/5700rpm
サスペンション:前後マクファーソンストラット
なお、カローラ WRカーはお台場 メガウェブのヒストリーガレージ1階「モータースポーツ ヘリテージ」に展示されている。