いよいよ「令和」の時代が始まった。そこで、平成の時代に誕生した記憶にとどめておきたいスポーツカーたちを、図鑑風に紹介しておこう。今回は、三菱のランサーエボリューションIVだ。

WRCをより有利に戦うためにフルモデルチェンジで各部を大幅にリファイン

「三菱 ランサーエボリューションIV(CN9A型:1996年8月発売)」

画像: 新デザインのフロントスポイラーをはじめ、エアロパーツを一新して空力性能も向上させている。

新デザインのフロントスポイラーをはじめ、エアロパーツを一新して空力性能も向上させている。

ランサーエボリューションは、エボIIIまでを第一世代とすると、エボⅣからⅥまでは第二世代となる。ベース車のランサーがフルモデルチェンジされて、各部が新しくなったのだ。

エボⅣで特徴的なのは、エンジンの搭載方向が180度転回されたこと。右側にエンジン、左側にミッションが来る一般的なカタチになった。。ただ、右ハンドルの場合ドライバー側にエンジンがあることで、重量バランス的には賛否もあった。

画像: エボⅣからはエンジンを180度回転させて搭載。回転補正のためのシャフトを1本減らし、シンプルな構造となった。

エボⅣからはエンジンを180度回転させて搭載。回転補正のためのシャフトを1本減らし、シンプルな構造となった。

エンジンが左側だと、駆動を伝えるシャフトの回転を逆にする必要があり、ミッションのインプットシャフトとアウトプットシャフトの間にもう一軸必要だったのだが、それがなくなり合理的になった。パワーは280psに向上した。

また新開発の左右駆動力移動システムAYCを搭載した。リアの駆動力を左右別々にコントロールする電子デバイスで、アウト側のタイヤにより多くの駆動力を配分することで旋回力を発生させ、積極的にクルマの向きを変える機能を持っていた。

画像: ステアリングホイールはMOMO製の本革巻き。コンパクトかつ視認性の高いホワイトメーターも採用した。

ステアリングホイールはMOMO製の本革巻き。コンパクトかつ視認性の高いホワイトメーターも採用した。

98年にエボⅤ、翌99年にはエボVIへと進化する。エボVからはトレッドの拡大によって3ナンバーサイズとなり、エボVIもWRCグループA規定変更に対応したものの、リアウイングの幅の制限に対応する2段ウイングとしたが、実戦ではFIAに認められなかった。

搭載エンジンはいずれも最高出力は280psだが、トルクは36kgmから38kgmに向上している。

画像: 大型リアスポイラーにはCピラーからの風の巻き込みをおさえリフト量を低減させるデルタ型ウィッカーも採用。

大型リアスポイラーにはCピラーからの風の巻き込みをおさえリフト量を低減させるデルタ型ウィッカーも採用。

ランサーエボリューションIV GSR(1996年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4330×1690×1415mm
●ホイールベース:2510mm
●重量:1350kg
●エンジン型式・種類:4G63型・直4 DOHCターボ
●排気量:1997cc
●最高出力:280ps/6500rpm
●最大トルク:36.0kgm/3000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:205/05R16
●価格:299万8000円

画像: 平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

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