いよいよ「令和」の時代が始まったが、「平成」の時代に誕生した記憶にとどめておきたいスポーツカーたちを、図鑑風に紹介しておこう。今回は、MR2の後継モデル、トヨタ MR-Sだ。

好コンセプトで安定性にも優れたライトウエイト・ミッドシップスポーツ

「トヨタ MR-S(ZZW30型:1999年10月発売)

画像: ミッドシップながらフルオープンの2シーター。MR-Sとはミッドシップ・ランナバウト・スポーツオープンカーの略だった。

ミッドシップながらフルオープンの2シーター。MR-Sとはミッドシップ・ランナバウト・スポーツオープンカーの略だった。

トヨタにはMR2というミッドシップスポーツがあったが、1999年に生産終了。その後継として登場したのがMR-Sだ。MR-Sとは「ミッドシップ・ランナバウト・スポーツオープンカー」の略だった。
ミッドシップであることはもとより、ショートオーバーハングでヨー慣性モーメントを小さくし、ロングホイールベースとしたことで操舵応答性と収束性の両立を図った。先代のMR2は、MRというよりもRR的と言われたが、その欠点を解消してきたともいえる。

画像: シート直後に横置きされた1ZZ-FEエンジン。1.8Lで140psと非力ながら、軽量ボディを気持ち良く引っ張った。

シート直後に横置きされた1ZZ-FEエンジン。1.8Lで140psと非力ながら、軽量ボディを気持ち良く引っ張った。

パワートレーンは、1.8L 直4DOHCの1ZZ-FEとなり、2L 直4DOHCにターボ仕様があったMR2に比較して物足りない面はあったが、軽量コンパクト(970kg~)なボディで活発に走った。

サスペンションは前ストラット/後デュアルリンクストラットという組み合わせだ。これはジオメトリーの最適化を図るとともに、各サスペンションアームの支持剛性を向上し、各部の摩擦を低減するなどの細かい改良で、高いレベルの走行安定性と優れた乗り心地となっている。

画像: 大径タコメーターがドライバーの真正面に位置するスポーティなコクピット。アルミ製のフットレストも備わる。

大径タコメーターがドライバーの真正面に位置するスポーティなコクピット。アルミ製のフットレストも備わる。

トランスミッションは5速MTのみだったが、2000年のマイナーチェンジでSMT(シーケンシャル・マニュアルトランスミッション)を設定。2ペダル電子制御MTで引いてシフトアップ、押してシフトダウンというレーシングカー的な操作を可能としたのも話題となった。

画像: ’60年代のスポーツカーを思わせるネオクラシカルなデザイン。前世代のMR2がRR的だったのに比べ、エンジン位置は改善された。

’60年代のスポーツカーを思わせるネオクラシカルなデザイン。前世代のMR2がRR的だったのに比べ、エンジン位置は改善された。

MR-S Sエディション(1999年)主要諸元

●全長×全幅×全高:3885×1695×1235mm
●ホイールベース:2450mm
●重量:970kg
●エンジン型式・種類:1ZZ-FE型・直4 DOHC
●排気量:1794cc
●最高出力:140ps/6400rpm
●最大トルク:17.4kgm/4400rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:前185/55R15、後205/50R15
●価格:198万円

画像: 平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

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