フルモデルチェンジかと思ってしまうほどの、大幅な外装デザインの変更
アウディブランドの中核をなすA4シリーズの現行モデルは日本で2016年2月に発売され、2019年1月にフロントバンパーやグリルなどの外装変更をともなうマイナーチェンジが施されていた(https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17243299)。
日本で改良モデルが発表されたばかりだと思っていた今日、2019年5月15日に今度はドイツ本国のアウディAGから「A4を改良する」という旨のプレスリリースと新たな画像が公開された。
この改良のポイントを簡単にまとめると……
■エクステリアデザインの大幅な変更
■ナビ/エンターテインメントシステムMMIを刷新
■マイルドハイブリッドシステム(MHEV)の導入
の3点だ。
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ビッグマイナーチェンジで大幅なデザイン変更を施されたアウディA4シリーズ。
正直に言うと、改良モデルの画像をはじめて見たとき「もうフルモデルチェンジするのか!?」と驚いた。それほどエクステリアデザインに手が加えられていたからだ。ただし、今回の改良はあくまでビッグマイナーチェンジだ。
従来のモデルと比較して、アウディ特有のシングルフレームグリルは幅広く、そして上下の高さを抑えることでボディのワイド&ロー感を強調されている。さらに、ヘッドライト形状はシンプルに、逆にデイタイムランニングランプを含む光源のデザインを最新のA6やA8のように複雑化することで精悍さを感じられる。テールランプのデザインも同様だ。
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サイドデザインが大幅に変更された新型アウディA4。
驚いたのがサイドデザインの変更度合いだ。ルーフやウインドウこそ変更されていないように見えるが、フロントフェンダーからフロントドア、リアドア、そしてリアフェンダーに至るまでのプレスラインが大きく異なるのだ。
従来モデルでは、彫りの深いシンプルな1本のラインがヘッドライトからテールランプまでつながるように描かれていたが、新型ではフェンダーの盛り上がりを強調するように、前/後フェンダーとドアのプレスラインが3本、独立するように配置されている。
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リアまわりではテールランプやバンパーも変更された。
インテリアデザインは大きく変更されているように見えないが、センターコンソールからあるものが消えている。アウディ特有の操作システム「MMI」にまつわる、ダイヤルやボタンだ。
これまでMMIは、カーナビやラジオなどのエンターテインメント、走行モードを含む車両情報などを、ここで操作するシステムとなっていた。このダイヤル操作は使いやすい一方で、慣れるまでに時間がかかるという意見もあったという。
そんな声を勘案してか、新型では10.1インチ画面でのタッチパネル操作に切り替えられたというのだ。ボイスコントロールの機能向上とともに、利便性の向上が期待できそうである。
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MMIのダイヤルやボタンがなくなり、タッチパネルでの操作に変更。
パワートレーンにも大きな仕様変更が施されている。なかでも、S4 TDI(セダン/アバント)にはじめて導入される48Vのマイルドハイブリッドシステム(MHEV)はトピックだ。
ラゲッジルームの床下に容量0.5kWhのコンパクトなリチウムイオンバッテリーが搭載され、3L V6ディーゼルエンジンには電動コンプレッサーが組み合わさる。シームレスでターボラグのないパワー感を生むという。このエンジンは347ps/700Nmを発生し、0→100km/h加速は4.8秒、最高速は250km/h(リミッター作動)となる。もちろん4WDで、8速AT(ティプトロニック)のドライブトレーンで構成される。もちろんパワーだけでなく、燃費の向上も期待できるという。
MHEVではないが、S4のガソリン仕様も用意される。3L V6ターボは354ps/500Nmを発生して0→100km/h加速は4.7秒、最高速は250km/h(リミッター作動)だ。
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アバントをベースにクロスオーバーSUVとしたA4オールロードクワトロ。
また、今回のビッグマイナーチェンジはセダンやワゴン(アバント)だけでなく、A4オールロードクワトロにも適用される。4WDのクワトロシステムと35mm拡大した地上高によって、悪路走破性だけでなく乗り心地も向上させたクロスオーバーSUVである。
まずは欧州で2019年5月から受注を開始し、2019年秋からデリバリーされるようだ。正式なアナウンスはないものの、日本への早い導入を期待したい。