マークXやエスティマなど、長い歴史に幕を下ろすモデルも
2018年11月、トヨタは新たなモビリティサービスを提供することを目標に、販売ネットワークの改革に乗り出すことを明らかにした。
手始めとして、東京地区の既存販売4チャンネルのうち直営店を「トヨタモビリティ東京」に統合、併せて全車種の併売化と新たにカーシェアリング事業(サブスクリプション・ビジネスやリースも含む)を開始することを明らかにしたのは記憶に新しい。
また併売化で気になる既存車種ラインアップを「現在の40弱から、2025年には30車種程度に絞り込む」ことが明らかにされたことで、さまざまな憶測が乱れ飛んだ。
2019年4月より、東京地区の直営ディーラーは、一部の地場資本による販売店を除き、「トヨタモビリティ東京」として新たなスタート。すべてのトヨタ車がひとつのディーラーで購入することが出来るようになると同時に、どこでも同じサービスが受けられるようになったユーザーメリットは大きい。
この一連の施策は当初「2023年〜2025年をめどに3年間かけてやっていく」とされていたが、それを一気に前倒しするということは、一方で車種の統廃合に弾みがつくということでもある。全国どのディーラーでも同じクルマが買えて同じサービスが受けられるということは、今までのような兄弟車や姉妹車はいらなくなるということでもあるのだ。
2018年の計画発表時には、フルモデルチェンジを期に統廃合が進められると言われていた。また、通常のモデルライフサイクルを超えたいわゆる「ご長寿グルマ」もそろそろ生産中止になるとウワサされていた。
ただ、今回の計画前倒しに伴い、モデル廃止や統廃合に弾みがつくのは確か。実際、日本を代表するミディアムアッパーセダンのマークXも2019年いっぱいで生産終了、50余年の歴史に幕を下ろす(現在、特別仕様車を販売中)。長らくモデルチェンジしていない、プレミオ/アリオン、プリウスα、エスティマなども今後の動向から目が離せない。
一方で人気車であっても、従来の兄弟車や姉妹車が統合されて単一モデルとなる可能性は高い。たとえば、アルファードとヴェルファイア、ヴォクシー/ノア/エスクァイアなどはフルモデルチェンジ時期にあたる2021年〜2021年にかけて統合される可能性が高い。また実質的に国内専売車であるハリアーも新型RAV4に吸収される可能性が高いと考える。
さらに先日発表されたように、今後ブランニューの次世代車やEV(スバルと共同開発するCセグメントSUVなど)を発売していくことも加味すると、トヨタの車種ラインアップはあと数年で大きく変貌を遂げる可能性が高い。急激に変革を実施するトヨタにとって、この半年余りは勝負の時となりそうだ。