FR2ボックスは消えたが、韋駄天ターボが登場
トヨタ スターレット ターボ:昭和61年(1986年)1月発売
![画像: FF化されてもコンパクトな2BOXスタイルは変わらず。テスト値で、最高速度は181.58km/h、0→400m加速は15.88秒という韋駄天ぶりを見せた。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/09/19/91df58bec579904984eee2a75a283d9f44dbc5d2_xlarge.jpg)
FF化されてもコンパクトな2BOXスタイルは変わらず。テスト値で、最高速度は181.58km/h、0→400m加速は15.88秒という韋駄天ぶりを見せた。
トヨタのエントリーモデルであるスターレットは、昭和59年(1984年)10月のフルモデルチェンジで、それまでのFRからFFレイアウトに仕様変更した。当初、そのスポーティバージョンといえば1.3L SOHC12バルブ自然吸気エンジンを搭載するSiしかなかったが、パワーとサスペンションセッティングのバランスが良いFFスポーツであった。
![画像: HIとLOのブースト圧2段切り替えで、最高出力はそれぞれ105/91psを発揮する。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/09/19/9ae49297035c3e049c3708718de9f4df16004a87_xlarge.jpg)
HIとLOのブースト圧2段切り替えで、最高出力はそれぞれ105/91psを発揮する。
昭和61年(1986年)1月にはターボモデルのEP71型、通称「スタ・タボ」が追加された。これに搭載されたエンジンはレーザーアルファ 2E-TELU型で、ノンターボより23psアップの最高出力105psを発揮、181.58km/hの最高速度と15.88秒の0→400m加速をマークした。先代のKP61型が素直なドライバビリティを持つ典型的なFR2ボックスであったのに対して、EP71ターボは、シャシに対してオーバーパワーのため、挙動の激しいジャジャ馬的なFFライトウエイトスポーツになっていた。
1987年1月のマイナーチェンジでは、エキゾーストマニホールドおよびターボのインペラ形状を改良することなどで過給効率を向上、最高出力は110ps、最大トルクは15.3kgmにパワーアップした。高回転域でのパワーの伸びはボーイズレーサーらしく一段と高まった。足まわりも見直され、コーナリングレベルも向上した。エクステリアもフロントグリルやバンパーなどのデザインが変更された。
![画像: シリーズ中、ターボ車のみ3本スポークのステアリングを装備する。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/09/19/43bfaaf154b67d2b3f9395ce087c8c09423dd467_xlarge.jpg)
シリーズ中、ターボ車のみ3本スポークのステアリングを装備する。
また、モータースポーツ向けに無塗装のブラックバンパーや快適装備を簡略化したターボRというグレードも設定され、ジムカーナやダートトライアルで活躍した。
だが当時、若いユーザーは大きなボディと絶対的に高いパワーを持つクルマを求める傾向が高まり、おそらくはこのEP71型を最後に、スターレットはスポーティカーとしての認知から離れてしまったようだった。
![画像: 1987年12月、ターボSは110psと15.3kgmにパワーアップ。フロントグリルなどのデザインも変更された。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/09/19/ae7717387cd9d803385353ae032574fe6019ea2d_xlarge.jpg)
1987年12月、ターボSは110psと15.3kgmにパワーアップ。フロントグリルなどのデザインも変更された。
スターレット 3ドア ターボS 主要諸元
●全長×全幅×全高:3770×1600×1380mm
●ホイールベース:2300mm
●重量:790kg
●エンジン型式・種類:2E-TELU型・直4 SOHCターボ
●排気量:1295cc
●最高出力:105ps/5600rpm
●最大トルク:15.2kgm/3600rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:175/60R14
●価格:129万8000円