ニスモが開発したスカイラインRSは高性能でリーズナブル!
1985年の全日本ツーリングカー選手権に参戦したスカイラインRSターボのグループA仕様は、事実上の日産ワークスであるニスモが開発した。搭載されるエンジンはFJ20ETと名付けられた直4DOHCターボユニットだ。総排気量は1990ccでボア×ストロークは89.0mm×80.0mm。ノーマルでは最高出力190ps/6400rpm、最大トルク23.0kgm/4800rpmだが、グループA規定内のチューニングにより最高出力250ps/7400rpm、最大トルク26.0kgm/4400rpmの性能を得た。
サスペンションはグループAということで、ノーマルと同様にフロント/ストラット、リア/セミトレーリングアームとなるが、ショックアブソーバー(フロントはストラットアッセンブリー)とスプリングはニスモでグループA用として設定したものとなり、減衰力調整機能も付く。サスペンションアームのブッシュはすべてピローボール化した。ブレーキはロッキード製のベンチレーテッドディスクブレーキだ。
ホイールは当時のグループA規定ではスカイラインの排気量からは10インチまで使用できた。しかし、オーバーフェンダーが装着できないという規定のため、フェンダーからはみ出ないために、フロント8J、リア8.5Jを使用した。ホイール径も17インチまで使用が可能だったが、フェンダーとの干渉を避けるためにフロント15インチ、リア16インチとした。この辺もグループAならではの面白さといえる。
ニスモが開発するということで、プライベートチームがパーツ購入できるというのも嬉しいところだった。車両代は別で約500万円〜600万円で当時のトップカテゴリーであるグループA仕様ができたのだから、レース参加者にとっては古き良き時代とも言える。
そんなこともあり、1985年のインターTECでは出走38台のうち6台がスカイラインRSターボとなった。予選では関根基司/関実組がボルボ、スタリオンに次ぐ5位につける。決勝では、ハルトゲBMW635CSiにこそ抜かれるものの、一台のスタリオンが脱落したことにより5位に入賞。その後のスカイラインGTS-R(R31)やスカイラインGT-R(R32)の活躍を予感させる速さを見せた。